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薬の効き目は抜群のようで、垂れ流された先走りが会陰を通り、後孔をすっかり蕩(とろ)かしている。すっかりふやけたようなそこはまるで喘ぐようにヒクヒクと痙攣している。
そこに狙いを定めて、俺の屹立がとぷりと先端を埋め込んでいく。
「ひっ、―――ぁ゛っああ゛っ! っだ、やっぱ、ダメ、っこれだめッ!!」
はじめは半ば諦めたように疼きに身を任せ、俺の挿入を受け入れようとしたとばりだったが、先端がそこにあてがわれた瞬間、必死に顔をあげて俺を止めようとする。
たったの数cm挿入された刺激でも薬によって快感は何倍にも増幅される。これ以上の快感を受け止めることに、咄嗟に恐怖を覚えたのだろう。
もちろん、俺はそんなことには構わない。
一時の休憩も与えず、疼きに浸かりきったまま熱と質量を待ちわびてとろとろになった孔内を、俺の屹立が押し広げ、ずるずる擦りあげて、再奥に到達する。
「――――あ゛ッッ、―――ぃ゛っ……ッ!!」
こつんと奥に突き当たった瞬間、必死でこちらに向けていた顔もあっという間に天井をむく。拘束されて手足を張った状態の全身が痙攣して、まるでそういう玩具のようにビンビンと縄を揺らす。
固くなったままの先端からどぷどぷと精液が流れ出る。最速記録だな、と笑いかけてバカバカしくなって止めた。
「―――っはぁ゛!っは……ぁ゛ッ―――はぁぁっ゛!!」
数秒間呼吸を止める程の絶頂をたっぷりと堪能した後で呼吸がままならないうちに、すかさず再奥に埋まった先端を更に数回押し入れてやる。
「ひ、ぃ゛、――――ッッ」
下がりかけた腰が跳ね上がり、危うく引き抜けそうになるも、逃げる腰を掻き抱いてもう一度とばりの奥をノックする。
そしてもう一度。もう一度。もう一度。
「あ゛―――っだ、ぁ゛、だめ、…ッああ゛、だめ、だめ、ダメっ――゛ッ!!!」
とん、と突くたびにくちゅ、と後孔の粘膜で潤滑油がかき混ぜられる音が上がる。射精の止まらない屹立が痙攣に合わせて跳ね回るせいで、とばりの身体が精液にまみれていく。
くちゅ、くちゅ、くちゅ、と単調な動きが却って熱に蕩(とろ)かされた身体をどこまでもどこまでも追い上げる。
「は、ぁ゛――ッッいった、もっイった゛っからぁ!!」
「まだだよ、とばり」
「やめっおねがッ…っぁ゛とめ゛、ッ!――っぁ゛い゛くッぁああ゛!!」
「“一発”やらせろ、って言ったよね?」
次から次に押し寄せる快感に塗りつぶされていた瞳が、俺の言葉で絶望と混ざり合い濁った涙を流す。
「許してったつきっ、イキたくな゛っイキたくなっ、ぁ、だめぇっイっあ゛ぁああ゛っっ!!!」
「ダメだよ、とばり」
挿入して数分も経たないうちに何度絶頂したかも分からないとばりを見下ろしながら、決して腰の動きを止めようとしない冷酷な自分に嫌悪する。だけど、どうすればとばりを許せるのか分からない。
俺はいつの間にか2本目の薬を投与していた。
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