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ず、とユーインの腰が引かれた。それだけで脊髄ごと抜きとられそうな快感に、すでに声をこらえることができない。

「あ゛、っぁああ゛……っ」
「―――ほら、崩れた」

「っ―――――ひ、や、ぁ…ッ!!」

ニーウェの囁きに呼応するように、ユーインの肉棒が叩き込まれた。快感に、思わず鎖にすがる騎士の身体がわずかに浮かび上がる。その腰を逃がすまいとユーインはしっかりと自らに引き寄せ、そしてまた、深く突く。

最初はぐちゅり、ぐちゅり、と緩慢だった律動が、その間隔を徐々に狭め、やがてひっきりなしの水音と、肌と肌が打ち合う音、そして騎士の上げる嬌声が地下室に響き渡る。

「ああ゛! や、だぁ――! やめ、あ゛、ああ゛、あああ゛!!」

いつしか、騎士の下半身は突き上げを繰り返すユーインへと、上半身はその胸の飾りを執拗に弄り回すニーウェへと、自ら差し出すように反り返っている。

「ほら、気持ちいい。お前のだいっ嫌いな男のペニスに、やさしーく突かれてビクビク感じてる」
「本当に女のようだなあ?頬を上気させて、…乳首でもこんなに感じて」
「はぁっ゛、ちが、っぁ、きさまぁ、ら゛――んん゛っ、あ、あ゛、ゃあ゛っ、っひ、ああ、ああああ゛っ!」

両耳から、まるで催眠術にかけるように、途切れることなくねっとりとした温度で騎士の耳に囁かれる声。

なんとか体裁を保とうとしてはまたすぐ脳を塗り潰す快感に、頭をのけぞらせては白い喉を晒し、閉じていられない顎から幾筋もの涎が流れ落ちていく。

追い討ちをかけるように、差し出された胸の先にある二つの尖りを、双子の王子が唾液に浸した舌で包み込み、撫で上げる。

それはただ、快感を送り込むための愛撫だった。まるで、"女のように"騎士を悦ばせるための、恋人にするような舌使い。

「は…!ぁ゛!、…っ!!――っあ゛!……っ!…っ!!………っ!!!」

ユーインの腰が引かれるたび、打ち付けられるたび、二人の舌が同時に胸の尖りをなぞりあげるたび、騎士の身体に張り詰めた弦を弾くような痙攣が走る。

やがて自身の限界が近いユーインが、息継ぎをするように顔をあげた。

「っ…ニーウェ、やはり騎士殿は乳首が好きなようだ。後ろから存分に慰めてさしあげろ」
「いいよ、兄さん。騎士さんはこれが大好きみたいだからね」

お互いに話しかけるように顔を近づけるふりをして、わざと騎士の耳元で嘲りの言葉を囁き交わす。



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