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まだ絶頂の余韻に浸る脳みそが言い返す言葉も見つけられないでいるうちに、ニーウェが傍らの機械を操作し始める。すぐに滑車の回る音がすると、騎士の下半身を絡めとっていた鎖がするすると巻き取られていく。
短くなっていく鎖は当然騎士の腰を宙に浮かせ、目の前の皇子に自らの局部を晒すこととなる。
「な―――っ!! おい!や、だっ……やめろ! やめろやめろやめろぉ!」
まるで赤子のような格好をさせられて、あからさまに取り乱していく騎士。そのまま屈辱的な格好で宙に固定されてしまう。
それは騎士がこれまでに受けたことのない仕打ちだった。背中や後頭部が柱にぶつかるのも気にせず、なんとか拘束を解こうと暴れる。
「あーあ、取り乱しちゃって」
「情けない格好だよなあ? 」
ユーインが暴れる騎士の顎をつかみ、無理矢理に顔を向けさせる。美しい皇子の顔には、覗きこまれた者をぞっとさせるような、生気のない暗い眼差しが宿っていた。
生娘のように顔を紅潮させ、必死に伏せる眦に涙すらためてなお屈辱に耐える騎士を、見下げる形で存分に堪能する。
やがて騎士の顎をつかむ手の感触が消えた。次の瞬間、自らの下半身に違和感を感じて目を開ける。
「貴様、何を―――……っひ、あ゛、っ!」
しているのか、と聞く前に激痛と不快感に反射的に頭をのけぞらした。
めり、と音がするほどに自らの後孔がこじ開けられる感覚。
そこに沈み込もうとしているのはユーインの下衣から取り出された屹立の先端だった。
「しっかりと、目に焼き付けろよ、騎士、殿」
「そ、な、入らな、入らない……から、ぁ!」
ニーウェが騎士の後頭部を固定するまでもなく、恐怖で騎士はそこから目をそらせなくなっていた。
ユーインが腰を揺さぶるようにして、先端を無理矢理奥へ進めると、新たな激痛に喉の奥から絞り出すような呻きが上がる。
「安心しろ、薬が効いているからお前が思っているよりは大分ほぐれているぞ。まあやはり、きついがな。それに――熱い」
自分の身体の内部に侵入され、そのありさまを事細かに告げられて、痛みと恥辱に塗れた騎士は、もはや正気を保つのがやっとの状態だった。
一人の男のプライドを完全にへし折ってやった恍惚で、ユーインの表情に熱に浮かされたような歪な笑みが浮かんでいる。
「ころ、す、ユーイン、きさま、ころし、て、――やる」
うわごとのように繰り返す言葉も、ユーインにとっては悦びでしかない。
「なんだ? よく、きこえない、が―――っ!」
「い゛―――――ッッ、っ、……! …ッ!」
最後の一言で一気に奥まで押し込む。気の遠くなるような衝撃に、口が意味もなく開閉する。
「ん? 言いたいことがあるなら言ってみろ」
「ひ、ぁ、ぁ―――ぬ、け、…っ、も…っ」
騎士の口元に耳を寄せて、聞き取ろうとするそぶりを見せるユーインはもちろん、すでにまともに言葉も発せられないことを知っている。
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