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一度その物足りなさに気づいてしまってからは、それはどんどんと膨らんでいく。相変わらず皮膚から送られてくる快感は少年を高みへと持ち上げて行くが、あと一歩のところでその先へと到達することができない。

快感に押し流されながらも、一瞬一瞬を積むごとにますます快感に焦がれていく。

「っ、いじわる……ッしない、でぇ――ぼくの、ぁ、おちん、ちん…も、ちくび、もぉっ」

誰に教えられたわけでもない。少年は、苦しみから逃れるために無意識に卑猥な言葉を口にしていく。どうすれば喜ばれるか、許されるか、本能が悟り、他に選択肢もない少年はそれに従っていく。

口に出したことにより、乳首と、性器に少年の神経がますます集中する。それと連動するかのように手の動きもその二点の周辺へと集中していく。その周りを、渦を描くように撫でさすり、欲情を押し上げていく。

「っひ、ぁっあ゛! さわって、くださ――おちんちん、と、ちく、びッ…がま、できなぁ―――ッッ」

少年の胸板で掌が描く渦がだんだんと狭まり、中心へ近付くにつれ動きはより緩慢になっていく。それにはまるで、獲物を見つけた獣がじわりじわりと、少しずつ、しかし確実に距離を詰め、捕えんとするかのような、そんな意思を感じる。

その中心にある胸の突起は、すでに痛いほどに硬くなっていることがありありと見て取れた。

「は、…ぁ……ぁ―――ッ」

ああ、来る。少年はその予感に体中の血がざわざわと湧きあがるのを感じた。来るのはわかる。でもそれがいつのなのかわからない。それが怖くて呼吸が震える。

「―――――っひ」

堪え切れず、少年の喉が引きつる。それが合図となったのか、それともその瞬間をねらっていたのか、少年の緊張が最高に高ぶったその時――少年の硬くしこった乳首が、肌に密着するように動かされる指に容赦なく巻き込まれ、肌の上で転がされた。

「あ、はぁ、ぁッぁ、い、ああああ゛!」

焦らされ続けた上、下向きにつるされて、血流が溜まりやすくなっていたはずだ。転がす指を押し返すようなたしかな弾力を、乳首を転がす掌に伝えていく。

その感触を楽しむように男は両の乳首を同時に刺激する。

二本の指がぬるぬるになった乳首を慎重につまみ、絶妙な力加減でじわじわと引っ張りながらわずかな回転を入れられる。上下にビンビンと、時に激しく時にいたぶるように緩急をつけて弾かれる。たっぷりのローションを浸した指先が先端に付けられ、クリクリと転がしながら皮膚に埋め込まれる。

「はぁ、ぁ、あ゛ッや、ぁ、あっあ、ッ、あああ゛ッ」

絶え間なくそそぎ込まれる快感に、逃げようとしているのかそれとも身体の制御がきかなくなっているのか少年の上半身がぐぅぅ、とのけぞる。それは手首から天井へと延びる縄がたわむほどだった。

突然、少年は視界が開けるのを感じた。眩しさに目をつむるが、瞼越しに感じる光量に目隠しが取られたのだと気づく。
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