◎梓くん視点。

小坂渓菜。
さっき会ったばかりのこの学園の数少ない女子の一人だ。

渓菜の名前は入試の上位者の方に名前が載っていた時に見つけた。

去年までは僕達の一つ上の学年に一人居る先輩が唯一の女子生徒だったらしい
僕が思うに渓菜もその先輩も変わり者かよっぽどのミーハーだと思ってた…けど渓菜は僕の予想を大いに裏切った。

可愛いと言うより綺麗が当てはまるような顔立ちで触れたら壊れてしまいそうな、儚い印象だった。
笑顔を振りまいているけどどこか冷めていて
“よく分からない”一言で言えばそんな感じだった

僕が渓菜に一番驚かされたのは身体能力の高さだった。

僕もそれなりに運動神経には自信があったけど渓菜は僕より足が速かった。
しかも全く息切れせずに、普通に考えれば高校1年生の男子と女子の足の速さは同じなんて事は殆ど無いに等しい事で。
ようするに僕としては女子に負けるだなんてプライドが許せなかったりする。
はぁ…渓菜について考えれば考えるほど分からなくなる。
取り合えず彼女と居れば学園生活は退屈しないだろう。
明日あたり翼を連れて会いに行ってみよう


(少年は少女への執着にまだ気付かない)

:#
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -