はらり、はらりと 舞っては散る

桜の季節。今日は星月学園の入学式だ。

私が星月学園に入寮してから2週間近く過ぎた。
これまでに星月先生や不知火先輩、白銀先輩他にも結構な数の先生と知り合いになった。
一番衝撃的だったのは白銀先輩のキャラと言うか何というか…とにかくまたの機会に話したいと思うって、誰に話すんだろ私…
まあ、なんやかんやあって今日は星月学園の入学式だ。
あと30分程で入学式が始まるんだけど人が多い、
昨日までの事を思うと天と地の差だよ。
まあ、行事事なら仕方無いと思うけど

人混みに呑まれながら式場である体育館への道を進むけど当然女の私は目立ってしょうがない。
まるでペットショップの犬にでもなった気分だ。
まさに気分は憂鬱、まあ誰だってこんなに視線を浴びたらそう思うだろう。芸能人とかは別として。

「ねえ!そこの君!」
不意に手を掴まれて一瞬思考が停止する。
え?何?誰?そんな疑問を思い浮かべながら振り向くとそこにはパッツンが居た。

「え?女子生徒ってもう一人居たの?」
「なっ!僕は女子じゃなよ…」
こんなくりくりおめめのパッツンヘアーなのに女子じゃないらしい、普通に可愛いじゃないか、まあ、取り合えず間違えた事を謝ろう
「えっと、ごめんパッツンくん?」
「なっ…木ノ瀬だよ…木ノ瀬梓。君は?」
引きつった笑顔で名前を尋ねられてしまった…梓くんて言うんだ。名前まで可愛いな…
「私は小坂渓菜…です?よろしく梓くん」
「なんで自分の名前なのに疑問系なのさ、あと、梓ね、僕も渓菜って呼ぶから、いいよね」
いいよねに疑問符がついてない時点で私に否定権は無いんだろう
「うん、分かったけど…なんで私に話しかけたの?」
「これ、渓菜のでしょ?落としてたよさっき」
梓が手に持ってたのは見覚えのあるハンカチ。
あれ?いつの間に落としてたんだろ
「うん、ありがと梓、助かったよお気に入りだったんだそれ」
「!…、拾ってよかったよ。」
「えっと、お礼しないとね、私に出来ることならなんで」「いいよ、そんなのもう貰ったしね、」
そう言ってイタズラっぽく笑った梓はやっぱり可愛いと思う。
でもそれより私が何をあげたかは理解出来なかった。

「考えるのもいいけど入学式まであと10分無いよ」
「うそ、急ごうよ梓!」
「もちろん、こう見えても体力には自信があるんだよ」
「じゃ、負けないようにしないとね、」
悪いけど私も体力には自信あるんだよ と心の中で呟いて私は梓の後に続いて走り出した。


(足速いね梓)(それは嫌みかな?渓菜)(いや、褒めてるんだよ)

◎競走は微妙な差で夢主たんが勝った。
よって梓のプライド粉砕 hshs^q^ !

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