「いってきます」
そう聞こえるように呟いても返ってくる言葉はない。
返事が返ってこないのは相手が居ない訳ではなく相手が私を拒絶してるから、
でも今更それに傷つく訳もなく私はただ無言で家を出た。

家を出たら本当の私は消える。
玄関は言わば切り替えスイッチのようなものでスイッチを切り替えたら作り物私になるんだ。
それを初めて漢字を書けるようになる頃から続けてきた。
馴れたと言うべきか馴れるしかなかったと言うべきか、
まあ、そんなこと今となってはどうでもいいこと、
新しい日々が始まるんだ。だから過去はどうでもいい、いらないものは捨てる。
きっとそうだ誰でも。
今日から私は寮にはいる
星月学園、今日から私が3年間過ごす場所。
この学校は専門的なカリキュラムを売りとした私立の難関校でその分野を極めたい人には人気がある。しかも運良く全寮制だ。
星月学園は6つの科に分かれていて一番マニアックと言うか限られた人しか入れない星詠み科に私は入る事になる。

私には生まれつき未来が見える"星詠み"と言う力があった。
そのせいで両親には除け者にされたからこの力をあまり好いてはいない。
でもこの変な力を持て余すぐらいなら使いこなせた方がましだと思って星月学園を受けたら見事合格できた、と言う訳だ。

とりあえず寮についたら片付けよう、
そんな事を思いながら星月学園行きのバスに乗り込んだ


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