文通相手 冨岡義勇の場合

急啓 冨岡義勇様

 ご無沙汰しております、炭治郎です。突然こうして文をお送りしたことをお許しください。俺の周りに、このような事を相談できる人は義勇さんしか思いつかなかったのです。
 俺と恋仲である苗字名前という女性を義勇さんもご存知だと思いますが、彼女は鬼殺隊が解体された今、北陸の方にある実家に帰省しているのです。世間ではこれを遠距離恋愛というようです。そんな彼女と文通をしているのですが、「近頃は常連のお客様とも仲良くなり、その方たちと他愛もないようなお話をするのが日々の楽しみのひとつとなっています」という返事が彼女から届いたのです。彼女の実家は小料理屋を経営しており、料理が上手な彼女はその手伝いをする為に店に立っているそうなのですが、小料理屋とは料理と一緒にお酒も出されると聞きます。彼女の言う常連の人とは男の人ではないのでしょうか。お酒が入った男の人を相手にするなんて、これは彼女の貞操の危機なのではないでしょうか。いくら実家だからだとはいえ、居ても立っても居られません。このまま汽車に飛び乗って、彼女のところまで飛んで行きたいという衝動に駆られてしまいます。しかし、俺は男であり、長男でもあります。やはりここは強く気持ちを抑えて耐え忍ぶべきでしょうか。経験が浅い故、こういう時にどのような気持ちでいればいいのか分かりかねます。決して惚気ではありません。否、彼女が可愛いのは確かですが!
 何卒、ご指導ご鞭撻のほど宜しくお願い致します。
草々
竈門炭治郎

追伸 禰豆子が久しぶりに義勇さんに会いたいと言っておりました、俺も暫くぶりにお会いしたいので、近いうちにお伺い致します。

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