七通目

拝啓 苗字名前様

  家の周りの木々の葉も日を追って赤く色付いてゆき、深まりゆく秋を感じる季節になってまいりました。
 来月に控えた禰豆子と善逸の祝言の準備に向けて、ここ最近は毎日が大忙しです。当日は名前もご出席いただけるとのご連絡ありがとうございます。鬼殺隊の皆さんもご出席いただけるとの事で、まるでちょっとした同窓会みたいですね。
 禰豆子の花嫁衣装を“黒引きの振袖”にするか“白無垢”にするかで、「禰豆子ちゃんはどっちも似合うんだよぉ〜〜!!」と善逸は毎日、あーでもないこーでもないと決められずにいます。正直、俺も禰豆子はどちらの衣装も似合うと思う。そこは同感です。伊之助は伊之助で、以前に祝言で沢山料理を食べれたのがよっぽど嬉しかったのか、「早く来月にならねぇか!祝言!祝言!」と違う意味で張り切っています。
 以前、二人で話し合って俺たちは祝言は挙げずに籍だけ入れようと決めましたが、名前は本当に挙げなくていいのだろうか?やっぱり祝言を挙げることは女性のひとつの幸せなのではないのだろうか?名前は頑なに祝言を挙げなくてもいいと言っていたけれど、もしそれがお金の心配だったのなら、そんなの気にしなくたっていい。俺の幸せはこれから君と一緒に生きていくことだから名前がそれでいいのならいいのですが。俺は名前が隣で笑ってくれてさえいてくれれば、もうそれで十分だと思っているのです。
 さわやかな秋晴れの下、どうか体調など崩されませんよう温かくしてお休みください。それでは、祝言の席で君に会えるのを楽しみにしています。
敬具
竈門炭治郎

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