六通目

拝啓 苗字名前様

 燃えるような暑さも一段落し、朝夕は以前よりも過ごしやすくなって参りました。
 先日は突然会いに行って驚かせてしまって申し訳なかった。久しぶりに会った君は俺が知っている君よりも随分と髪が伸びて、心做しか大人の女性へと成長し、あまりにも綺麗になっていたものだから、俺だけが時間に取り残されているような気がして、ひとり焦燥感に駆られてしまいました。突然に訪ねてしまったにも関わらず、嫌な顔一つせずに笑って俺を迎え入れてくれた君の変わらない笑顔に安心しました。名前からは、とても安心する甘くて優しい匂いがするんだ。
 さて、改めてご報告があります。かねてからお付き合いをしていた禰豆子と善逸が今度、桑島邸で祝言を挙げることになりました。祝言には、鬼殺隊でお世話になった人たちも呼んでいますので、名前にも是非出席してほしいと思っています。まさか本当に禰豆子が他所の男の人の家へ嫁いでしまう日が来るとは夢にも思いませんでしたが、あの小さかった禰豆子が、これからの一生を添い遂げる男の人を見つけて嫁いでいくのを、遂に俺も見送る立場になったのかと、感慨深く思っています。
 それに、きっと善逸なら禰豆子のことを幸せにしてくれると思っています。
 早秋の折、くれぐれもご自愛くださいますようお祈り申し上げます。
敬具
竈門炭治郎

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