菅原中編 | ナノ

初めてきた放課後の体育館は春とは思えない気温だった。三年生の私たちが体育館に来るともうすでに後輩たちと思しき少年たちがネットを張り始めていた。
少年たちは澤村や菅原の姿を見つけると大きな声で挨拶をして、すぐ視線を私に移す。高校でスポーツやってるだけあってみんなでかいなぁ。おぉ、めっちゃ睨んでくるやつおる。坊主だかわいい。


「大地さん誰っすかこの人」
「田中威嚇するな」
「潔子さんがいねぇ!」
「西谷静かに!というかみんな静かに!」


おぉこれが田中と西谷、烏野の戦力。うん、元気良さそうだ。


「えー紹介する。清水が熱で明日からの遠征に行けなくなった」
「「えーー!!!」」
「代わりに、みょうじさん、清水の友人がお手伝いで来てくれる。みんな世話になるんだ、挨拶!」
「「オネシャシャース!」」


潔子さん大丈夫かなぁと部員は口々に心配の声をあげ、その後私に視線を戻す。田中くんと西谷くんの視線が熱い。ごめんねキヨほど美人じゃなくてね、やる気でないよねごめんね。
澤村と菅原が目で私に合図した。こういうの苦手なんだけどなぁ。


「初めまして、みょうじなまえです。キヨの代わりできました。マネージャーしたことないので迷惑かけるかもしれませんが、キヨが大切にしてるみんなの力になれるように頑張ります。少しの間よろしくお願いします」


さいごにぺこりとお辞儀をした。こういうのほんとに緊張する。あぁもう顔あげるの怖いなぁ。まああげるんだけど。顔をあげてみると澤村と菅原が満足そうな顔をしていて、部員たちを見るとさっきよりも大きな声でお願いしますと挨拶された。


「掴みはばっちりだなみょうじ」
「え?なんのこと?怖かった声でかくて」
「ははっみんないいやつだからすぐ気に入るべ」
「あの!!」


3人ではなしていたらさっきの田中くんが私のところに駆け寄ってきた。びっくりして見上げているとまた田中くんが話し始める。


「さっきは威嚇してすいませんした!!」
「は、はは、いいよそんなの。キヨみたいに美人じゃなくてごめんね。けど期待してるから頑張って」
「そ、そんなことねっす!!なまえさんて呼んでいいっすか!!」
「うんいいよー」
「ザッス!!」


それだけ言うとまた重そうなポールを運びに行く。意外といい子だ。


「な?」
「うん」
「よし、じゃあみょうじはオレときてくれ。清水の仕事を説明する。スガこっち頼む」
「…了解」


その後澤村に連れられてドリンクの準備や洗濯、スコアの付け方など色々教わった。


「(スガあからさまにいやな顔してたなぁ…)」
「なまえ、どう?覚えた?」
「うんなんとか。スコアも中学のとき付けてたからわかるしね」
「あ、なまえバレー部だったもんなそういえば」
「「(スガさん、なまえ呼び………?)」」


何かを感じ取った烏野バレー部。



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