わたのはら 
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「ゔお゙ぉい!アキ、来てやったぞぉ!」
「ばっ…静かにして、ここ図書館なんだから!」
「あ、」


しかも来てやってるのは私だし。取りあえず教えるためにはどのレベルだか分かってないとだめってことで、中学のテストを持ってこさせた。


「…勉強できなくないんじゃん」
「まぁなぁ」
「ドヤ顔すんなよ」
「でもこれじゃヴァリアーには入れないわね」
「やっぱりかぁ…」
「うちの学校からヴァリアー入ってる人は大抵みんなベスト10には入ってたみたいよ」
「………」
「実力ももちろんだけど、勉強も出来なきゃだめなんだよねヴァリアーって」
「オレだってやればできるぜぇえ!!」
「いやだからうるさいって」


持ってた教科書の中で一番分厚いものを取って思いっきりスクアーロの頭を叩いた。


「ふふ…騒がしいと思ったらアキさん、と…S・スクアーロくんか」
「ミハエルくん、あなたも勉強?」


背後から急に笑い声が聞こえてびっくりした。振り返ると本を持ったミハエルくんがいて、クスクスまだ笑っていた。ミハエルくんも勉強?と聞いたはいいけど、私たちは別に勉強してたわけではないな、と思ってちょっと後悔した。


「僕は小説を返しに来たんだ。また借りようかと思うんだけど、アキさんなんかおすすめとかある?」
「小説?なら碧玉いづきがおすすめ」
「へぇ、ありがとう。探してみるよ」
「ミハエルくんのオススメも今度教えて」
「あぁ。じゃあ頑張ってね、二人とも」
「ありがとう」


気に食わないと言っていただけあってスクアーロは随分ぶすくれていた。ミハエルくんはスクアーロなんてほぼ眼中にはなあみたいに一瞥もくれずに去っていったけど。


「そんなに嫌い?」
「あいつ頭いいのかぁ?」
「答えになってないし…頭いいって、首席よ」
「ふーん」
「いつも勝てないの」
「…お前次席なのかぁ?」
「そうよ」
「うそだろぉ!?」
「だーかーらーうるさい!嘘じゃない!!」
「お前すげぇんだなぁ」
「頑張ってるもん」
「なら、オレも頑張るぜぇ」
「…………」
「頼んだぜぇ、先生」
「…任せなさい!」


スクアーロの目がちょっときらきらして見えて思わず口角があがってしまった。




なんだかんだ言ってスクアーロは最初バカだとかわいい
必死に勉強してヴァリアー入ってるとかわいい



131124


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