02
洗濯物を取り込んだ。こないだの黒のハンカチも。ふっ、思い出しただけで可笑しい。あんな怖い人が、ねぇ。いつ会っても大丈夫なようにいつもポケットに入れておくことにした。くしゃくしゃにならないように注意しなきゃ。
「お姉ちゃんー!」
「ぬ?」
「今からツナ君たちと遊びに行くの!お姉ちゃんも一緒に行かない?」
「いいのー?」
「山本君がなまえさんも誘えって獄寺がうるさいって。」
「あははっ行く行く!待っててすぐ着替える。」
ぞろぞろと商店街を歩く若い男女とチビちゃんズ。買い物に来た主婦たちがいつも仲良しねぇ、なんて微笑んでいる。つくづく並森は平和な街である。
「アホ共は呼ぶなって言ったのに。」
「あらー?私に来てほしいってうるさかったのは誰かしらー?」
「う、うるせぇ!」
「目ん玉魚雷発射ー!!」
「もーランボ様許して下さい!!」
ランボ!ブラジャーを目につけるなんてかなりの大物ね。将来が楽しみだわ。とかなんとか思ってる間にうちの京子が!青春してるわ!うちの京子がツナ君と青春してるわ!
「ランボ君、すごく楽しそうだね。」
「京子ちゃん!?ありがとう!」
紅茶をさりげなく買ってあげる優しさ!さすがうちの妹、笑顔も超絶かわいい。ツナ君なんて真っ赤じゃない。
「ツナ君はいつものツナ君でなんかホッとしちゃった。」
…かわいい。いいわね、青春って。なんかこの二人見てて青春したくなってきたよ。する相手いないけどさ!
そろそろ二人をからかいに行こうかと、そう思っていた時、どごおばおぉん!!という大きな音とともに少年が一人落ちてきた。
「ぎゃあぁあ!」
「す、すみませ…」
「いててて…」
「おぬし…!」
隼人や山本、京子がツナの側に駆け寄る。私は何が起きたのかわかんなくて二人を覗く体勢のまま固まっていた。
「ゔお゙ぉい!!なんだぁ?外野がゾロゾロとぉ。邪魔するカスはたたっ斬るぞぉ!!」
「あぁああ!!!」
長い銀髪の目つきの悪い外国人。あ、イタリア人か。私に道を聞いてハンカチを落として行ったあの人だ。私は思わず彼を指さし、ポケットに手を入れてハンカチを確かめた。
「あ゙ぁ?」
「あ、あのハンカチ…!」
「来てはなりませぬ!」
落ちてきた少年が私を見て怒鳴った。えぇー…私ハンカチ返したいだけなのにー。
それにしてもさっきから怪しい雰囲気である。明らかに落ちてきた少年は怪我をしてるし、例の銀髪さんは剣を持っている。そしてだいたいこういうわけのわからない事態を把握してるのは…
「リボーン!」
「よくわかったななまえ。」
「なんで植木!?」
「オレのお気に入りだぞ。」
「あぁそう…で、あの人は誰なの?」
「あいつは、S・スクアーロ。ヴァリアーだぞ。」
「ヴァリアー?」
嵐の予感
なんの嵐かは、わからないけど
「エス・スクアーロ?サド・スクアーロ?」
「スペルビだぞ、なまえ。」