27

あのあとザンザスさんの辛い過去をスクアーロさんの口から聞いてまた涙が出そうになった。

激しい戦いの末、ツナたちは勝利を収めた。了平は逆境からファミリーを救うという大役も果たした。明日は剛さんがお祝いにお寿司をみんなに振る舞ってくれるそうだ。太っ腹だな。

その前に京子のたっての希望により、笹川きょうだい水入らずでお祝いをすることになった。料理はもちろん京子。私は頑張ってクッキーを焼いた。隼人たちにもと思いたくさん焼いてラッピングもしておいた。了平に配膳をさせて、私がコップにオレンジジュースを注いだ。


「せーのっ」

「「かんぱーい!」」


かつん、と三つのコップが音をたててオレンジジュースが少し飛び散る。


「お兄ちゃんおめでとう!勝ててよかったね。お姉ちゃんもお疲れ様!」

「極限におめでとうだー!」

「お疲れ。本当によかったよ、怪我も治りかけてるしね。」

「姉貴は極限にラブラブだしな!」

「ばっ!うっさい了平!」

「お姉ちゃん彼氏が出来たの!?」

「でっ…出来てな…く、な っ、」

「うわぁよかったねお姉ちゃん!今度紹介してね!」

「え、うん、大丈夫かな…」

「大丈夫だろう!」


了平と私が喋りながらもばくばくと食べたため肉じゃがの大皿は既にからっぽだった。京子が「食べる?」と聞くからもちろんと答えた。京子が肉じゃがを大盛りにしてテーブルにおく。同じく空になっていたコップにオレンジジュースを注ぎ足す。


「姉貴、スクアーロの見舞いには行かんのか?」

「うーん…病院知らないし。大泣きして告白しまくった手前会いに行きづらいし。」

「お姉ちゃん…大胆!」


案外大胆、とかオレンジジュースで酔ったのか鼻歌を歌う京子は相当ご機嫌だ。しつこくスクアーロさんのことを聞く京子に私もどうやらご機嫌らしく、出会ったことから順番に話をした。

京子はにこにこしながらその話を聞いて、時々いいな、と呟いた。了平は「極限にうまい!」と京子の作った料理を食べてお腹いっぱいになってうとうとしていた。


「了平、そろそろ寝る?」

「う、うむぅ…」

「お兄ちゃん疲れたもんね。」

「今日は三人で寝るか。」


リビングのテーブルやソファをはじに寄せて、布団を部屋から持ってきた。川の字に敷いた布団に三人でごろりと転がった。もぞもぞとくっついてきた二人を抱きしめて「大好き」て言った。「私も」、「…極限だ」と言った二人は珍しく照れていた。なんか最近告白してばっかりだな。

一度目を閉じてスクアーロさんを想った。



星が紡ぐ音楽で眠る



「あら、この子たちったらこんなとこで寝ちゃって!」

「…おい母さん、カメラ持ってきてくれ。」

「え? …はいはいただいま。」

カシャッ

「携帯でも撮るか。」

「お父さん、私の携帯でも撮っといて下さい!」

「うむ。母さん、みそ汁は豆腐とわかめがいいぞ。」

「ごめんなさい、今日は大根よ。」

「極限に残念だ…」

「明日は豆腐とわかめにしますね。」












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