12

お悩み相談室が終了して三日。どうやらヴァリアーが動き出したらしい。と、いうのも今まさに、目の前に、恐ろしい形相の髭親父がいるわけでして。


「うわぁあん!ランボさん怖いー!」

「ランボダメ!泣かない!」

「なまえ姉…」

「うん、私も怖い。」


今日はちびたちと京子とハルとでお買い物にいった。ランボがエスカレーターで角を落としたせいで京子たちとはぐれたわけで。高校生にもなって迷うなよと言われればそれまでだが、胸を張って言おう私は方向オンチだ。

黒服の男は長刀のようなものをこちらに向けている。方向オンチをここまで怨んだのは初めてだ。ランボとフゥ太はがちがち震えながら私にしがみつく。イーピンが私たちを守るように前に出る。


「イーピン!イーピンも、私の後ろに。」

「イーピンみんな守る!できる!」


イーピンに向かって男が拳を振り上げる。急いでイーピンの腕を引いて引き寄せる。拳はコンクリートに落ちる。


「…こないで。」

「リングを寄越せ。」

「こないで!!」


「お姉さん!」

「姉貴ぃい!」


どごぉ!パンチの破裂音。駆けて来る足音。ちびたちを抱きしめていた手が緩む。


「了平…ツナ…」

「ツナ兄!」

「姉貴大丈夫か!?」


へたりこんだ私に了平が手を伸ばした時、爆発音と刃のぶつかる音、そして男の呻き声が連続して聞こえた。


「下っ端はやっちまったぜ、髭面。」

「隼人!」

「今度はお前か?髭面。」

「極限に相手になってやるぞ!」

「望む所だ。」


え!?今やんの!?今から戦うの!?慌てだす私とツナ。ランボは地面をごろごろと転がる。おいこら!お前のせいでこんな目に遭ったんだぞおいぃい!


「ちょっとレヴィ、一人で狩っちゃだめよ。」

「他のリングの保持者もそこにいるみたいなんだ。」

「うわわ…こんなに…」


ヴァリアー登場にビビる私たち。落ち着いてるのはリボーンだけだ。


「ゔお゙ぉい!よくもだましてくれたなぁ、カスども!」

「でたー!」

「あ、スクアーロさん。」

「ん゙? おぉ、お前か。」

「「…え?」」


ヴァリアー、並森ともに視線が私へと注がれる。リボーンは仲良くなったのか?とやたら嬉しそうに聞いてきた。



微妙な関係の二人



「久しぶりだなぁ。」

「はい。お鍋、上手に出来ましたか?」

「あ、あぁ…」

「あら!あのお鍋はカノジョに教えてもらったのね!おいしかったわよ〜!」

「ししっ敵方の女に手ぇ出すなんてやるじゃん、カス鮫。」

「手なんか出してねぇえ!」

「おい、どけ。」

「いいじゃない、障害があるほど燃えるのよっ恋愛って!」

「どけ。」

「だからちげぇって言ってんだろうがぁあ!」

「どこまでイったの?」

「ど…「ゔお゙ぉい!いい加減にしやがれぇ!」













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