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お手伝いという名目で悩める中学生の相談を始めて早三日。今日は「仕事の報告にでも来い」というリボーンの命令で沢田家にお邪魔しています。京子を連れてきた方がツナが喜ぶのは分かりきっていたが、敢えて連れてこなかった。
「まぁまぁ役立ってるみてーじゃねぇか。」
「あざーす。」
「なんで体育会系!?」
「あぁ…ツッコまれるってイイネ…」
「なんか卑猥ー!」
「すぐそうやって下ネタに持っていく!これだから思春期は!」
えぇーとか言いつつ顔赤くするツナはやっぱり思春期だ。私も思春期真っ只中だけど、一応少しは大人なわけで。母性に近いものを感じるわけだ。そのせいかお悩み相談室はまぁまぁうまくいった。その度に持っていったクッキーもまぁまぁうまくいった。
「ツナはどうなの?なまえ相談室開こうか?」
「なにその名前ー!?」
「開くの開かないの!」
「ひひ開きます!!」
「よし、話したまえよ青少年。」
リボーンはランボシめてくる、と言い残して去っていった。無茶苦茶なヒットマンだが、気をつかったんだろう。意外と不器用な背中である。
「俺さ、何のために戦うのかわかんないんだよね。」
「十代目になりたいんじゃないの?」
「そんなわけないよ!」
「そう?いいと思うけど?」
「だってマフィアなんて…怖いし。」
「でも戦うんでしょ?」
「うん…だって…」
「京子のため?」
「きょっ京子ちゃんだけじゃないよ!」
「わかってんじゃん。」
「え…?」
中学生のくせに守るだのなんだの言ってるツナは最初気に食わなかったりしたんだ。だけど、そのきれいごとを貫く勇気があるみたいだから、お姉さんポジションとしては成長を見守りたいな、ってそう思うんだよね。
「京子のこと、傷つけたら承知しないから。」
「はい!」
「あとお互いツッコミ頑張っていこうね。」
「…はい。」
スッキリした顔のツナとバイバイして帰路。偶然ディーノさんに会った。ついでなので雲雀さんに伝言を頼んだ。ディーノさんは苦笑いしながら了承してくれた。
お悩み相談室はこれにて終了
「恭弥、なまえから伝言だぜ。負けてもいいんですよ、だとよ。」
「…………」
「(やべぇんじゃねぇか?)」
「…早くやろう。」
「…は?」
「僕は負けないよ。」