スクアーロとケンカをした。私たち二人、まあそこそこ仲良く、そこそこ楽しくつき合っていたけれどもう我慢ならない。
なんであの男はあんなに優しいんですか!?
ていうかモテすぎでしょ!?
女の子に告白されたら至極丁寧にお断りをいれて、「気持ちはうれしいぜぇ、ありがとなぁ」とか言うんですよ!暗殺部隊の作戦隊長が!!人あんなに殺してるくせに女の子には優しいとか惚れてまうやろー!!


「って感じで怒ってる。一方的に」
「超迷惑」
「だぁってなんかわかんなくなっちゃったんだもーん」
「王子興味ないし、寿司くいてぇ」
「スクアーロが私に優しいのって私のことが好きだからかなって思ってたのに、あれ?みんなに優しいんじゃんって思ってね」
「王子興味ないし」
「じゃあ私に優しいのも特に意味ないんじゃないかなって思っちゃって」
「王子の感情は無視なんだ」
「ベルの感情とか私も興味ないし、私の話聞く係じゃん」
「そんなのになった覚えはないんなだけど」
「ね、どう思う?スクアーロの優しさ!」
「彼氏に優しくされるのが悩みなんて贅沢だな」
「そーだけどースクアーロさんみんなに優しいんですもんー」
「オレの彼女そんな悩みたぶんもってねーよ」
「ベルは彼女にも優しくないもんね!!」
「んなことねーよ」


そんなことよりスクアーロだ。優しいのは素敵なことだし、優しくされたら嬉しいけど、他の女にも優しいなんて彼女的にはちょっと、いや。


「まぁスクアーロの優しさなんて王子いらないし本当どうでもいいからそろそろ部屋戻るわ」
「えーベルの裏切り者ー」
「なに?スクアーロじゃなくて、王子に優しくされたくなった?」


ベルの前髪がおでこをかすめた。うおーなんだこいつキザだなー、腹立つけど様になりやがる。全然ときめないけど。びっくりするくらい平常心だけど。


「これがスクアーロなら失禁しちゃうレベルでときめくのにベルじゃあなぁ…」
「殺すぞ」
「オレがなんだって?」
「え?」

前髪かすめる近さのまま、会話していたら突然違う声が降ってきた。しかも不機嫌。


「スクアーロ!おかえり!!待ってたよー」
「浮気しながらかぁ?」
「は?違うよなんでベルなんかと」
「ベルなんかでも男だろぉ、オレ以外の」
「なんでそんな怒ってるの?私のが怒ってるよ!」
「なんでなまえが怒るんだぁ!」
「スクアーロが色んな女の子に優しいのが腹立たしい!」
「オレが優しくしてぇのはおまえだけだぁ」
「ばっ、……ありがとう!!!」
「だからおまえもオレにだけ優しく、かわいい顔してろぉ」
「……スクアーロも、私にだけしかかっこいいところ見せないで」
「おう」


さっきベルがかすめたところにスクアーロがちゅってした。どきどき、どきどき、心臓がうるさい。もたない。もう、好き、好き。


こぼれ落ちそうなくらいの、あなたへの好き




「ねぇ王子どうしたらいいの?ねぇ?」





ヨリさんへのお礼小説です!


140103



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