#ダイゴ 3
「よし、これでひとまず大丈夫」
「ありがとうございます……」
応急処置をしてもらった
少しは痛みが引いた気がする
さて、ここで一つ問題が出来た
歩けないし、立てない
「……立てないよね、多分」
「すみません、無理っす」
「よし、おぶってこう
乗ってくれ」
「!?
いや、でも…」
自分は決して軽い方とは言えないし、まず今日知り合ったばかりだというのにここまで迷惑をかけていいものかと戸惑った
「僕はよく非力に見られるみたいだけど、怪力持ちだから安心てくれていいよ?」
「…すみませんが、おねがいします」
怪力持ちはさておき、今はそれしか手段が無いと諦めてなんとかダイゴさんの背に乗る
安定感が半端ねぇ…
「もし捻った所が痛くなったら言ってね
何か出来るかもしれないから」
「…はーい」
ざくざくと石と土を踏みしめる音とココドラとシェイミの足音だけが耳に届く
他には何も居ない
「そういや君の仲間って?」
「あぁ、……そういえばどこに居るんだろう」
「ひとまず外に出てみようか
足も見なければならないしね」
外で待っててくれると良いんだけど
先にポケモン探しを止めて出てきている事を祈るだけだ
居なかったら待ってよう
その内出てくると思うから
「みっ?みー……?」
「こらシェイミ、あんまうろちょろすんな
…こっち来い」
[えーっ]
「えーじゃない
危ない」
[怪我したヤヅキに言われたくないもん]
「……テメェ」
最近シェイミの生意気度が増した気がする
どうした反抗期か?
なんだかんだで定位置の頭に来てくれるからまだ大丈夫だと思う
多分
「もしかして君、ミクリと会ったこと無い?」
「ミクリ、さん……?あぁ!」
いつぞやの、雨の日を思い出す
それと同時に彼との会話も思い出した
「あ、貴方がミクリさんの言ってたダイゴさん?」
「やっぱり
ミクリが珍しいポケモンを連れた面白いトレーナーと会った、なんていうからすごく気になってたんだよ」
「……何が面白かったんだろ」
唯一そこは解せぬが、今は置いておく
クスクス笑うダイゴさんに思わずムッとした
「何がおかしいんですか」
「いや、シェイミ……だった?ポケモンとすごく仲が良いんだね、君」
「当たり前です」
こいつは大切なパートナーだから
こっちに来て、初めて会った時の事は今でも鮮明に思いだせる
あのとき……この子に遭遇しなければ、こうして旅に出ている事も無かったかも知れない
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