#ダイゴ 1



「あーっ、もう!!
どーなってんだよ!!」

「みぃみ?」

「同じような景色ばっかりでどこ歩いてるかもわかりゃしないよ…!」

某洞窟にて
ヤヅキはサトシ達とはぐれた上に迷子になっていた
デジャヴを感じる展開に思わず肩を落とす

カンテラ片手に複雑な造りの洞窟をひたすらに歩いて行く
その途中で疲れが来て通路の端に座り込んだ

「休憩
足が棒になる…」

「みぃ…?」

心配して足を撫でてくれるシェイミに励まされながら休む
とにかく今は動きたくない

「あ、チョコあった
たべる?」

「みー!」

チョコまっしぐらなシェイミに一欠片渡す
食い意地は相変わらずの様だ

「こ、こら
そんな慌てて食うと落とすぞ?」

「みぃみー」

前足を器用に使うシェイミを抱きかかえてチョコを少しかじる
しばらく休んでいると、誰かの足音が聞こえた

サトシ達だろうか?
そう思ったが、違った

「……キミ、どうしたんだい?」

「ちょっと疲れちゃって」

洞窟には場違いな質のよさそうなスーツを着た銀髪の男性
手には懐中電灯を持ち、足元にココドラを携えている

「どうやらお困りの様だね」

「迷っちゃって」

「だと思った
じゃなかったらこんな奥深くまで来てないでしょ?」

ここは最深部だよ、なんて言われて思わず固まった
そりゃ足も疲れる訳だ

「申し遅れたけど、僕はダイゴっていうんだ
キミは?」

「ヤヅキです
ダイゴさん……あれ?」

なんかどこかで聞いたことある名前だ
何処だったか…
つい最近の気がするんだけどな

「どうかしたかい?」

「いえ、なんでもないです」

そのうち思い出すだろうと考えるのをやめた
話を聞くと、ダイゴさんは石集めのためにあちこちの洞窟に潜っているらしい
ふむ、コレクターか

「ここってどんなのが採れるんです?」

「えっと…あった!」

荷物を探り、何かを取り出して見せてくるダイゴさん
青色の光を放つ、水を彷彿させるような石だった
水の石、だそうだ

「進化に関わってくる石ですね
…にしても綺麗だな」

「だろう?
進化の石は神秘的な力を感じさせてくれるから好きなんだ
この石がポケモンの進化とどう関係してるのかなんて考えるだけでワクワクしちゃって!
これに進化に必要なエネルギーが込められているのかもしれないね
ほかにもいろんな石を探してきたけど、イッシュって面白いけ洞窟があるよね!
次は電気石の洞穴に行くつもりなんだ」

「………」

なんていうか…デントみたいな人だなぁ





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