#ミクリ 2
「わたしの出身はルネと言う所でね
海の真ん中にある街なんだけど、高い岩の壁に囲まれているんだ」
「…船とか入れませんね」
「トレーナー達はダイビングかそらをとぶを使って上や下から入ってくるよ」
「あぁ、なるほど」
さらに話を聞くと、海に隕石が落ちて、そのクレーターが壁になったという言い伝えもあるらしい
どれだけ大きな隕石が落ちればそんなことが起こるのだろうか
「もしホウエンに来ることがあったら、ルネにおいで
あちこち案内するよ」
「うん、是非」
その時、ミクリさんのボールが揺れた
「……?
ちょっとポケモンを出してもいいかい?」
「構いませんが」
「出ておいで、ミロカロス」
ボールからミロカロスが飛び出してくる
艷やかで美しいミロカロスだ
ミロカロスは主人のミクリを隠すようにぴとりと引っ着いた
「っ、はは、わかってるから大丈夫だよ
ミロカロス」
[……私達のご主人様だからね?
美しいご主人様には私達みたいな美しい人が合うのよ!]
ふん、と鼻を鳴らしてかるく睨みつけてくるミロカロスをなだめるミクリさんを横目に彼女の綺麗に輝く鱗を見る
「ミロカロスさんは美人さんだもんね
うん、美人なミクリさんによくあう」
[でしょうとも!
ご主人様は強い上にコンテストマスターでもあるのよ!]
「コンテストマスター…あぁ、シンオウとかにあるコンテストか
…あれ、トレーナーでもあるんでしょ?」
[PWTとかいうのに呼ばれてイッシュに来てるの]
「へぇ、噂は聞いたことがあるよ
ホドモエでやるっていう?」
[そう、ご主人様はただのトレーナーじゃないわ
チャンピオンなんだから!]
「まじっすかミロカロスさん」
[本当よ
すごいでしょう?]
「………??」
まるで会話をしているようなミロカロスとヤヅキをぽかんと見つめるミクリ
得意げに笑うミロカロスと驚くヤヅキを見ただけでもなんだか会話の様なものが成立している気がした
「すごいなぁ……」
[貴方、わかる人ね]
「そう?」
「ちょ、ちょっと
ちょっといいかい?
君は誰と話をしているんだい?」
「ミロカロスさん」
とうとう訳のわからなくなったミクリが話に乱入する
ミクリはヤヅキの口から自分に関係のある単語がぽんぽん出てくる事に驚いていた
話してもいないのに
もし自分の事を知っていたとすれば名前か容姿で気づく筈だ
で、誰と話しているのか尋ねれば返答がミロカロス
ミクリはプチパニックを起こしていた
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