#N 3 



注意
やんでれ???




「ヤヅキ、おはよう」

「………N」

無機質で冷たい部屋にNが入ってくる
Nの表情は明るい
それとは対照的にヤヅキは暗かった

「朝ごはん持ってきたよ
一緒に食べよう」

「いい、いらない」

じゃら、と四肢に繋がれた鎖が音をたてる
ここに繋がれ、自由を奪われてからどれだけ経ったのかわからないが、ヤヅキはかなり衰弱していた

「………食べよう?」

「………食べない、いらない」

ここに入れられてからヤヅキは何も食べていなかった
Nが持ってくる食事は美味しそうな物ばかりだったが、ヤヅキは頑なにそれを拒み、水だけで生きている状態だった

「もう、出してっ………!!」

「ヤヅキのお願いでも、それは聞けないなぁ
ごめんね
だって、外に出たら危ないでしょ?」

食事をテーブルに置き、ヤヅキの座るベッドに腰掛けたNを警戒してギリギリまで離れる
嫌、近寄らないで

「シェイミ達はどうしたわけ…?
何処にやった………!!」

「あの子達は外に出したよ
モンスターボールも破壊しておいたから
きっと自由に生きてるよ」

「………なら、よかった」

このまま、出られないのなら
あの子達には自由に生きててもらいたい
最後に挨拶くらいしたかったけど

「………ねぇ、サトシは?アイリスは?デントは?
何処にいるの?」

「……ヤヅキ、他の人の名前を出さないで
僕がいるじゃないか
ね?」

怒っている
Nの声が格段に低くなったのがその証拠だ

ここは黙る
余計な事を話すと、何をやられるかわからない

「僕は用があるからそろそろ行くよ
……大人しくしててね」

「………っ」

ばたん、と閉められる扉
ヤヅキはうずくまった

どうすればいい
どうすればここから抜け出せる?

扉に鍵はかかっていない
なら、鎖さえどうにかすれば……

外せないかとあれこれやってみるが、流石に素手では無理だった

だけど、この鎖意外と脆い
何か固いもので打てば壊れそうだった

「………!!」

部屋の隅に金属パイプのような物を見つける
これで、叩き割れば

重い体と鎖を引きずりながら、希望に手を伸ばした









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