#N 2




「ヤヅキー、これ出来たから持ってってー」

「おう」

丁度お昼どきの話
昼食を作るデントとそれを手伝うヤヅキ
N、サトシ、アイリスは付近の散策に出ていた

「よし、これでいいかな
皆を呼びに行こっか!」

「おーいサトシーアイリスーNー
飯出来たぞー」

とりあえず呼びかけてみるが、反応が無い
どこまで行ったのやら………

「探すかぁ………あーめんどくせ」

「どこまで行っちゃったのかな……」

シェイミやフライゴン達にその場を任せて3人を探しに行く
もちろん、飯をつまみ食いしないように代わりの食べ物を与えておいた

探してる間に食いつくされたらたまらないからな
………え?ありえない、とな
食い意地張ってるあいつならありえない事も無いんだなこれが

「変なことに巻き込まれてなきゃいいがなぁ……」

「うぅん、どこ行っちゃったんだろう……?」

「……あ、そこの君
あのさ、人間見なかった?
男女の子供二人と電波っぽい青年?の」

そのとき丁度目の前を通ったポケモンの集団にサトシ達を見なかったかと聞く
サトシ達はすぐ近くで見たらしいが、青年の方は少し遠いところで見たそうだ

「デント、サトシとアイリスはその辺にいるらしいが、Nが結構遠くまで行ってるらしい」

「そっか、どうしよう………?」

「自分がこの子たちに聞いてN探してくる
デントはサトシ達と戻っててくれないか?」

「……わかった
そうするよ」

デントはヤヅキに近づこうとするNに多少の警戒心を持ち合わせていたが、この時は効率重視でヤヅキの言うとおりにすることにしたのだった

デントはすぐサトシ達と合流し、すぐに引き返した
ヤヅキはポケモン達に案内されながら森の奥へ進んだ
しばらく歩くと、Nが佇んでいるのを見つけた

呼びかけてみるが、反応は無い

「おい、N」

「! あぁ、ヤヅキか
ごめん、ボーッとしてたみたい」

「そうか
飯ができたから呼んでみたけど返事なかったからさ」

「………で、トモダチに聞いてここまで来たってこと?」

「ん、無闇に歩くよりは早いかなって」

戻ろうぜ、と歩き出すヤヅキをNは引き止めた
誰か、複数人の話し声と足音がしたからだ

「な、何?」

「………こっち」

Nに引っ張られるがままに移動し、一際大きい大木の影に身を潜める
Nの行動の意味が理解出来ないヤヅキが何か喋ろうとしても、手のひらで口を塞がれているため、それはかなわなかった




「チッ、情報は嘘だったのか!」

「緑頭の奴は居たが、人違いだった
くそっ、はやく見つけなきゃなんねぇってのに!」

「次の目撃情報の場所に行くぞ!」

「………?」

なんだ、人を探してんのか?
ってかNに押さえつけられてて様子が見れないんだけど

………まさかとは思うが、Nをさがしてるのか?
いやでも、人違いだとか言ってたし…Nの事では無い?

色々思索している間に連中は去っていった様だ

「………ごめんね、急に押さえつけたりして」

「あ、あぁ
気にしてないから大丈夫だ」

それよりあいつらが気になる
ロケット団みたいな連中が何かしようとしているのか

………はーぁ、また何か起こりそうだ

「……まぁいいや
とにかく戻ろうぜ
腹減った………」

「あぁ、うん
お昼だったね」

「こりゃ戻ったら何か言われそうだ…」

「特にお腹を空かせたサトシ君からね」

「げっ………はっ、早く戻ろうぜ!」

Nの腕を掴み、駆け出すヤヅキ
Nもそれに合わせて走って行った

案の定、昼飯のお預けを食らって機嫌の悪くなったサトシから散々文句を言われた


(ヤヅキちゃん………何故か、トモダチみたいな雰囲気がする)

(あいつらなんだったんだろう
わからん………また何か起こりそうだな)






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