#N 1






「ヤヅキちゃん」

「……何?」

ニコニコと人の良さそうな、でも裏に何か潜んでいそうな笑顔を浮かべるN
ついこの前から一緒に行動するようになったわけだが、変に付き纏われて気にせずに居られなくなってきている

「………な、なんだよ」

今も、二人きりの時を狙って近づいてきている
木陰に座っていた自分の隣に腰をおろすと、またあの笑顔を向けてこう言い放った

「君は本当に面白いね
どうして君はトモダチと話せるのだろう…?」

そう、付き纏われる原因はきっとこれ
ポケモンの言葉が分かることだろう
Nはポケモンの心がわかるらしい

どこか似たような体質だが、心と言葉ではかなりの差が出る

言葉はポケモン自身が話してくれなければ理解は難しい
心は、口に出さなくても読み取られてしまいそうで

「ずっと聞きたいと思ってたんだけど、君は今までどんな風に生きてきたんだい?」

「……!!」

Nの過去は軽くではあるが聞いたことがある
幼い頃からポケモンと過ごし、いつしか心を通わせる様になったそうだ
きっとNは自分が何故ポケモンと話が出来るのか知りたいんだろう

でも
そんなの
分かるわけがない

「さぁ……なんでだろうな
別に、ずっとポケモン達と居たわけじゃないし
自分でもなんでわかるのか不思議なんだ」

「……そうなの
ねぇ、ヤヅキ」

あれ、敬称?どこいった
なんて事を考えていると急に抱き上げられた

そのまま近くの茂みに運ばれ、降ろされる
流石に意味が理解出来なかった

「ヤヅキ」

「っ、なにをっ」

混乱していると、そのまま押し倒された
抜けだそうにも手を一纏めに地面に縫い付けられていて無理そうだった


「えっ、N!?
なんのつもりっ…」

「ヤヅキ、ヤヅキ」

「!?
ぃあ、んっ………!!」

そのまま口付けられ、焦る
しかし脳に酸素が回らなくて段々思考薄れてくる

「ぁ、!?
ん………っふぅ、」

舌を吸い上げられ、口内を舐められて
訳がわからなくなって混乱して
目から溢れた生理的な涙さえも舐められる

「………ヤヅキがほしい」

「ひっ……!?
ばっ、馬鹿、何言ってやがる!」

「…いいよ、いつか、支配するから」

その時丁度サトシ達が戻ってきて、平然と合流する二人だった





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