#5



ヒウンシティへ向けて旅を続けるサトシ達。
その目的の街・ヒウンシティを目前にして、彼らはイッシュ地方一大きい橋、スカイアローブリッジに差し掛かっていた。

「うわぁ・・・でっかいな・・・!!」
「・・・ぅわお(東京のあの橋みたいだな・・・名前が思い出せないけど)」
「そして、橋の向こうに見えるのが」
「ヒウンシティ!!」

サトシは早くジム戦がしたくてウズウズしている。

相手はあのアーティーさんか・・・。
うわぁ・・・しかもシェイミとは相性が悪いし。
だって虫だろ??
シェイミ草だから、ちょっと大変だぞこれ。

そんなことを考えていたらいつの間にかサトシ達が離れていた。
やべ、追いかけよ。

「・・・どうした?」
「サトシが人とぶつかっちゃって・・・」
「気ィつけろよ・・・。人様に迷惑かけてんじゃねェ、締めるぞ」
「ごめんなさい」

デントから軽く事情を聞いたヤヅキは少し黒いオーラを纏ってサトシに言った。
その顔は笑っていたが、サトシからしたら鳥肌ものだ。

コンビニ(?)で用を済ませ、外へ出ると、濃い霧が橋にかかっていた。
さっきまではなんともなかったのに、何故?
あれ、ジュンサーさんもいる。
今思ったけど、ジュンサーさんって巡査さんってことだよね、ダジャレかっての。

「此処はね、昔から霧が深いので有名な所なのよ。
ちょっと待っててね」

そう言って、出したのはモンスターボールから出てきた白鳥のようなポケモン。

「スワンナだ!」
「スワンナ??」

早速図鑑で調べ始めたサトシ。
なんと、コアルヒーがこれに進化するらしい。

「マジかよ・・・あれがか??」
マジ信じらんねぇわ。

もう、ポケモンは分かんねぇもんだな・・・。


ジュンサーさんのスワンナが羽を羽ばたかせて霧払いをしたのだが、

「・・・」
「・・・」
「・・・あら、可笑しいわねぇ」

何故か霧が晴れない。
霧払いはその名前のとおり、かかっている霧を晴らすものだった。
なのに、何も起こらない・・・?

ジュンサーさん達は自分が考えあぐねている間に何処かへ行ってしまったようだ。

「・・・さて、どうする?」
「この橋向こうにヒウンシティがあるんだ。立ち止まっている訳にはいかない!!」
「そうよね!」

デントの問いに、そう答えたサトシはよっぽどジムが楽しみらしい。
いやだってはやくヒウンシティ行きたい=ジム戦したい
じゃね?サトシ限定で。

まあ何かあったらその時だ。
シェイミ達も居るから大丈夫、だと思う。

そう結論づけて、3人と歩き出した




「前がみえん。」
「ヤヅキ、足元も見にくいから気を付けてね」
「流石に何もない所で転ばねぇよ」
「それもそうだよね。」

ははは、と乾いた笑みをこぼすデントにヤヅキは疑問が生まれた。

「前から思ってたんだけどさ、デントって心配性?」
「うーん・・・そう、なのかな。あ、ゴミ着いてる」
「よく見えたな」
「距離が近いからね。さっき歩いてたときに付いたのかな。ほら、葉っぱ付いてた」
「ありがとー」

(むふふ、あの2人いい感じ。はやくひっついちゃえ)
「アイリス、何ニヤニヤしてんだ?」
「なーんにも。早くいこう!」

なんかいい雰囲気だす2人と内心ニヤニヤするアイリス、何も思わないサトシだった。





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