#15



「うふふ←」
あれから始終笑っているアイリスと
「・・・。」
さっきの光景が頭に浮かぶたび顔を赤くするデントと
「なあ、さっきのなんだったんだよ」
空気を読むことができず、ずっとそればかり聞いてくるサトシ。

「・・・すぅ」
何をされたか露知らず寝たままのヤヅキ。

薬を飲ませた分にはいいんだが、デントのダメージがちょっと大きかったらしい。

「デント、いいじゃないの。デントもヤヅキに気があるんじゃないの?」
「うぇ!?そそそ、そうじゃな、」
アイリスが小声でデントをからかえば彼は顔を赤く染め上げた。

「もう、何よ〜わかってるんじゃないの?デントってヤヅキと話してると結構嬉しそうにしてるわよ?」
「え、」
自分でも気づいていなかった事をアイリスに言われ、ふと思い返した。

・・・確かにそうだったかもしれない。
それに再び顔を赤くすると、アイリスがまた笑みを深くした。

「あたしも協力してあげるわ!!」
「ええ!?」

「2人がいい雰囲気になったりしたら、少し離れたりしてみるから。頑張って!」
「ええぇー!!」

赤い顔のデントと、すんごくいい笑顔のアイリスを見たサトシは首をかしげたのだった。

翌朝、ズルッグは目覚めていた。
「ず、ルッグ!!」

「よかったなあ、元気になって」
アイリスの薬草の効果もあってか、翌朝には元気を取り戻したズルッグ。

サトシがアイリス達が薬草を探してくれた事をズルッグに教えると、ズルッグはお礼を言った。

「ズ?」
ズルッグはキョロキョロと辺りを見て、何かを探しているようだった。

「ルッグ!?」
ヤヅキを見つけたズルッグは直ぐに顔を覗き込んだ。

「ズ・・・ルッグ!!」
「あ、おいズルッグ!どこ行くんだ!!」
ズルッグはサトシが呼び止めるのも無視して何処かへ走って行ってしまった。

キバゴもズルッグの後を追いかけて駆けていった。

「・・・ヤヅキ、もうすぐ目が覚めるかな」
「薬も飲んだんだし、もうすぐ覚めるわよ。きっと。ねー、デント?」
「あ、ああ・・・」
デントはヤヅキが起きた時にこのことを言うか言うまいか少し迷っていた。
その時、キバゴがすごく慌てた様子で戻ってきた。

「キバ!!キバキーバ!!」
皆を呼んでいるようだったので、サトシ達はズルッグの元へ向かった。

「おっと・・・シェイミ、ヤヅキをよろしくね」
「ミィ!!」
デントの言葉にしっかり答えたシェイミは、一匹でヤヅキを見ていた。

「・・・ッ」
「ミ?」
今、少しヤヅキも瞼が動いた気がしたシェイミは、じっと目を見ていた。

「・・・?シェイ、ミ?」
「ミィ!!」
「うわ、と・・・あれ?自分・・・どうなったんだっけ」
[デンチュラの電撃を受けて倒れたの!!すっごく心配したんだからね!!]
「・・・すまね。ゴメンな、シェイミ。」
すすり泣くシェイミを優しく抱え、抱きしめた。

「フラー・・・」
「フライゴン・・・ゴメンな。心配かけたそうだな。」
いつも間にか出てきていた自分のポケモンたち。
皆と言葉をかわして無事を喜んでいた。

「・・・そうだよな。自分がいなくなったらお前らだって困るし、悲しいのかもしれんな」
[え、何ソレ!悲しいに決まってるじゃん!自分、ヤヅキが好きになって付いてきたのにさ]
呟いた言葉にロトムが反応して返してきた。

「あはは、ごめんごめん」
[笑い事じゃないよ!]
バチュルにも反論されました。






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