#6
「おそらく、デスマスは展示物に紛れ混んでここまでやってきたんだね
でもなんらかのアクシデントでマスクを落としてしまった」
サトシが図鑑でポケモンを調べたところ、デスマスと言うことが判明した。
そこで、アロエさんが何故こうなったのか、推理を始めた。
・・・ん?ちょと待て。
さっき流れ込んできたやつって・・・
マスクが視界に入った途端に止まったよな。
・・・と、なると、さっきのアレは、
「嘘だろ・・・」
「あんたはそのマスクを拾ってレプリカだと思って飾ったわけだけど
デスマスはマスクを奪われた上、ケースに閉じ込められたと思ったわけさ」
「だからデスマスは怒ってこんなことを」
「そうか、骨格模型や化石を動かしたのはサイコキネシス、霧は黒い霧」
「雨はあまごい、人魂は鬼火だったんだ!!」
そこでアイリスが話に入ってきた。
「ね?荒ぶる魂ってのも、あながち間違いじゃなかったでしょ?」
「うーん・・・微妙だな」
「何よ!!デントの推理よりマシよ!!フンッ!!!」
もうこれ、どっともどっちだろ。
「・・・ねえ、そういえばヤヅキは『ポケモンの気配がする』とか言ってたわよね」
「ああ、どうやらデスマスのことだったみたい」
「・・・ということは、ヤヅキが一番正解に近かったってこと?」
「すげえーな」
「どうやらそうみたいだね」
話題にされているヤヅキ本人は、デスマスと戯れていた。
「そうか・・・それ、お前にとって大切な物なんだな」
「デス」
「んじゃ、もう落とすんじゃねえぞ?今回みたいに取り戻せないかもしれねえんだから。大切な物はしっかり持っとけ」
「マス!!」
そして、キダチがヤヅキのそばにいるデスマスに頭を下げた。
「ごめんなさい!知らなかったとはいえ、とても悪いことをしました、本っ当にごめんなさい!!」
「私からも謝るよ。すまなかったね・・・」
「デェス!」
「許してくれるっぽいですよ」
「本当ですか!?ありがとうございます!」
もう気が済んだのか、笑顔を見せるデスマスだった。
「もう行くのかい?」
「よかったら、また遊びに来てくださいね」
「デス」
いつの間にか日が登りかけている中、ヤヅキ達はデスマスを見送る為に外に出ていた。
「デェス!」
「うわっと・・・ふ、もう一回言うけど、もうマスク落とすなよ?」
「デス!」
「元気でなー!!」
「さようならー!!」
「ピカピーカ!」
デスマスに別れを言い、空を見ると朝日が登りきっていた。
「うーん、爽やかな朝だね〜」
「うん、清々しいテイストだ」
「まさにジム戦日和だぜ!!」
それぞれ思ったことを口にする皆。
「もしかして、ジムにチャレンジしに来たのかい?」
サトシのつぶやきを聞き取ったアロエが問いかけた。
「はい!俺、サトシっていいます!
アロエさん、俺の挑戦を受けて下さい!!」
「ああ!あんたがどんな戦い方をするのかじっくり見せてもらうよ」
「はい!!」
「ふぁ〜・・・(睡眠不足・・・)」
ヤヅキはそばでのんびり欠伸していた。
眠い。
疲れた。
座ってよう。
そう思い立ち、壁に背を預けて座り込んだ。
「・・・(座ってたら余計眠くなった)」
少しだけ寝ようかな・・・。
寝ることにしたヤヅキは瞼を閉じた。
「ミィ?」
肩に乗っていたシェイミはヤヅキが動かなくなったことに不信感を抱き、膝に飛び移ってヤヅキの顔を見た。
[なんだ、寝てただけか・・・]
よかった、と安心しつつ、自分も寝る体勢になるのだった。
[ミィも眠い・・・]
「あ、そういえば、ヤヅキもジム戦するって・・・て、ヤヅキ??」
サトシがアロエさんに紹介しようとしたら、ヤヅキの姿が見えなかった。
・・・と思ったら座り込んでシェイミと寝ていた。
「おやおや、寝てしまったようだね」
「あ〜・・・」
「あはは・・・ヤヅキらしいね;」
「おーいヤヅキ〜・・・起きろよ〜」
サトシが隣にかがんで軽く揺すってみるも、全く反応が無かった。
「完全に寝てるみたいね・・・;」
「どうしようか?」
・・・と思ったら反応があった。
「ん・・・あと・・・3時間」
「長いって!起きろー!」
「無理・・・」
と、そのままサトシの方に倒れ込んだ。
「え、ぇええ!?」
「あらら;」
「あはは・・・;」
そんな光景を見て笑う皆だった。
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