#4






甲冑がヤヅキ達に向かって刀を振り上げた。
「ピカチュウ、電光石火!!」
「ピッカア!!」

ピカチュウの電光石火のおかげで甲冑は一回崩れたのだが
「え!?」
バラバラになった甲冑が、元の形に戻ったのだ。

「何なんだ!?」
「やっぱり祟よ!!」

「・・・(でも、この世界で起こる現象ってほぼポケモンが原因なんじゃないかな・・・。自分のトリップの原因だって、もしかしたらポケモンのせいなのかもしれないし。)」
ヤヅキが悶々と考えていると、再びバラバラになった甲冑から人魂らしきものが出てきた。

「ひ、人魂がぁ・・・!?」
「いえ、人魂は放電による発光現象を勘違いしたものとも言われているんです」
おいキダチさん、ビビりすぎだろ;

「ミジュマル!水鉄砲だ!!」
「ミージュ、マー!!」

「・・・。」
ミジュマルの水は、確かに、キダチさんを追っていた人魂を消した。
でも、

「・・・頭にかかった」
「ミィ」
最近、水に縁があるような気がしたヤヅキだった←

「え?あ!ごめんヤヅキ!!」
「・・・多分大丈夫」

今度は崩された甲冑の頭だけが浮いた。
「デント、これは?」
「磁場の変化が甲冑の鉄分と反応を起こして宙に浮いたんだ」

頭はキダチさんを追いかけた。
「ひいいい!!」
「おらッ!!」
ヤヅキの方に逃げたキダチさん。

「た、助かりました」
「ん・・・」
ハイキックで頭を蹴り落としたヤヅキ。

「・・・ヤヅキ、すごいわね」
「まーね。ちょっと色々あったんだよ」

それより!と話をつないだ。
「なんだか、荒ぶる魂がキダチさんを狙ってるみたいだけど」
「ぼ、僕を?」

さっきヤヅキも考えていたが、人魂と思しきものも、甲冑の頭も・・・
キダチさんを狙ってるように思える。

「キダチさん、貴方何かやったんじゃないですか?;」
「え!?僕は何もやってないです!・・・多分」

さらに、泣き声らしきものまで聞こえてきた。
「荒ぶる魂よ・・・何をそんなに悲しんでいるの」
「いや、低周波で何かが擦れる音が泣き声に聞こえるんだよ」

やたら周波数関連の言葉出してくるな、デント;
周波数でこんなにいろんなこと起こるのか?
てゆうか、いつまで張り合ってる気だよ。

デントとアイリスのやり取りを聞いていてそう思ったヤヅキだった。

サトシの提案で声のする方へ行ってみることになった。
「・・・あー鳥肌が」

近づくにつれ、冷気が漂ってる気さえしてきた。
冷気と同時に、ポケモンの気配っぽいものを感じ取っているヤヅキ。

一番泣き声が良く聞こえたのは、展示室。
ヤヅキが昼に案内してもらった時に違和感を感じた場所でもあった。

「泣いているのはあのマスクか!」
「でも、なんでマスクが涙を?」
「涙じゃなくて空気中の水分が雫になっただけさ」



「ッ・・・!」
いつかの時のように、目の前が真っ暗になった。

「・・・これは」
流れ込んできた映像には、キダチさんの姿が。
その他にも職員だと思しき人が見える。

目線はあっちこっちと動き回り、何かを探しているかのようだった。
そして、黄色いマスクっぽい物が視界に入ったとき、止まった。

そこで現実に戻った。

「ヤヅキ?どうしたんだ?」
「サトシか・・・いや、なんでもない」

最近急に流れ出す、記憶にもない映像。
未だ正体はつかめてないけど、サトシ達には言ってない。
無駄な心配はかけたくないしね。

それに、もうすぐわかる気がするんだ。

「・・・キダチさん。これ、外に出せませんか?」
「え?い、一応出せますけど」
キダチさんに話しかけているヤヅキの視線は、マスクを見たままだった。

そんな会話を交わした刹那
マスクがガラスケースに体当たりを始めた。

「ああ!」
声を揃えて驚きの声をあげる皆。

「祟りの原因はあのマスクよ!!」
「いや、磁石のN極とS極のように何かと引き合っているんだ」
「・・・マスクに磁力があるとは思えねえ;」

わかった・・・かも。
あれ、ポケモンの何かなんだ。
あれ自体がポケモンなのかもしれないし、何かの大切なものなのかも。

「キダチさん!!直ぐにケース開けて!」
「え、でもこれはレプリカで・・・」
「いいからッ!!」
思わず声を荒上げるヤヅキ。

キダチがためらっている間に、カイリューの骨まで動き出した。








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