#3



博物館の少し広い場所に寝袋を広げ、就寝準備をする皆。

「はあ・・・シェイミ、寝よっか」
「ミ!」

元気でいいなあ。本当に

デントとアイリスはもう謎を解く気満々だし。
サトシは早くジム戦することしか頭にねえし。

考えててもしょうがない。
寝るとするか。


「・・・いいんですか?こんなところで」
「いいんですよ。このほうが。」

キダチさんは未だに心配そうだった。

「早く寝ましょ・・・ヤヅキってもう寝てる」
寝付きのいい方のヤヅキは既に寝ていた。

「・・・よくこんなところで眠れますね;でも、また変なのが襲ってきたりしたら」
「大丈夫ですよ、その時こそ、僕らの出番です」
「心強いです」


少しだけ安心した様子のキダチ。

もう寝ようとしたその時

「ロトッ」
「「「「!?」」」」

パチパチッ
「うわああッ!?」

「・・・何」
騒ぎのせいで目が覚めてしまったヤヅキ。

「い、今、耳元でパチって!?」
「私も聞いたわよ」
「静電気か何かじゃないかな?」

「はあ・・・何やってるの?ロトム」
「「「「え!?」」」」

「ロト〜」
「もう、見つかっちゃったじゃなくてだね・・・。疑われちゃったらどうするのさ。」
暗闇から姿を現したロトム。

「なんだ、ロトムだったのか」
「じゃあ、さっきの音は」
「ロトムの電気だったのか」


そんなことが起こったが、眠りについた皆だった。




深夜、皆が寝付いた頃、アイリスは起き上がっていた。

「ねえ、起きて」
「んぅ・・・なんだよ、アイリス」

目元を擦りながら起きるサトシ。
デントも起き始めた。

ヤヅキはシェイミと一緒に寝たままだった。

「どうしたんだい?」
「変な風を感じる」
「変な風??」
デントの問いかけに答えるアイリスと、答えを復唱するサトシ。

「何かが近づいてきてるのかもしれない」
「またそんな非科学的なことを」

アイリスとデントが相変わらず張り合っていると、黒い?変な霧が辺りを包んだ。
そこで、やっとキダチとヤヅキが起き上がった。

「うわあ!?何ですかこの変な霧は!?」
「荒ぶる魂が何かを始めようとしている」
「いいや、空調が故障でもしてるんだよ」

「・・・なんだこれ?」
「ミィ・・・?」
ヤヅキとシェイミはいつもどおりだった。

「やっぱり、ポケモンの気配が・・・する気がする←」
ヤヅキはかすかに感じるポケモンの気配に首をかしげていた。
なんだろう・・・この変な感じ。博物館を案内してもらってた時もこんな感じの、したんだけど・・・?


と、思考に浸っているとどこからか足音が聞こえてきた。
「この音は・・・」
皆が不思議に思っていると、闇の方から何かが近づいてきていた。
だんだんと輪郭がはっきりしてきて、姿が確認できるまでになった。
歩いてきていたのは、博物館に展示されていた甲冑。

「うわあ!!」
「出た!?」

「デント!これを科学的に証明できるの!?」
「できるさ。ポルターガイストなどで、物が勝手に動くのは低周波による振動のせいだとも言われているんだ」

デントが長ったらしい解説をしていたら、歩いてきた甲冑が腰の刀を抜いた。
「・・・ねえ、自分思うんだけどさ、ポケモンが何かやってるんじゃない?」
「ポケモンが?なんでそんなことするのよ」
「いや・・・なんとなくそう思った」

「あれも低周波のせい?」
「もしかしたら誰かが糸で吊っているのかもしれない」
「いやそれはちょっと・・・;」








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