#13



ひとまず、サトシとデントは服を着て、ヤヅキは今だ濡れたままで。

「あの〜・・・バッジケースは?」
「ちょっとまって〜、えっとお・・・あった!!」
ベルが取り出したのは、埃まみれのバッジケース。

「埃だらけじゃない!」
ベルは息で埃を少し払うと、サトシに手渡した。

「サンキュー
バッジケース、ゲットだぜ!!」
「ピッピカチュ!!」

「なあサトシ・・・そのポーズ、いるのか??」
「い、いいんだよ!!」
「ピーカ」

早速、という感じでバッジをケースに納める。
「へえ・・・バッジ一個なんだ。」
ちょっと見せて、と申し出てきたベルにケースを渡したその瞬間。

「あれ!?」
「え!?」
バッジケースが消えた。

「・・・あいつか!」
ヤヅキは木の上にいる、ネズミっぽい灰色をしたポケモンを示した。

「ああー!!俺のバッジがー!!」
「待ってよー!!」

サトシに続いて、アイリス、デント、ベルが追いかける。

「・・・行っちゃった」
「ミィ」
シェイミとのんびり追いかけることにした。


「どこいったんだ〜??」
「あ〜、いたいた」

サトシの声が聞こえ、駆け足で近寄る。
「あ、ヤヅキ!?どこいってたのよ!!」
「すまん、のんびりしてたw」


「あ、ねえねえ、何かキラキラする鍋か食器はないかしら」
「へ・・・?キラキラするもの?」

デントはバックの中からクロッシュとスプーンを取り出した。
「(あ・・・何やるか、予想できた) デント、それ渡さない方が――――――」
「これをこうやって・・・!!」
「んなあーーー!!せっかく磨いたのにいーーーー!!」
だから言ったのに・・・てゆうか、ベルに遮られた。

[・・・ミィ、ああならないようにする]
「是非そうしてください・・・」
ポケモンにまでそう思われたベルを哀れみの目で見るのだった←

「・・・デント、どんまい」
「うぅ・・・」
未だうなだれているデントの背を撫でるのだった。




ベルは、汚れた・・・じゃなくて汚したスプーンとクロッシュで、かの有名な猫とネズミの宿敵コンビのアニメによく出てきそうな、簡単な仕掛けを作った。

「僕の大切な食器があ・・・」
「これからは、ベルに大切なものを渡すのはやめようぜ。サトシも、バッジがああなってるし・・・。」
「・・・そうだね」

ヤヅキはデントと語っていたww

ヤヅキの頭にいるシェイミは心配そうにデントの顔を覗き込んでいた。
「ミィミ?」
「・・・大丈夫だよ、シェイミ」

そんなことをしていたら、近くの茂みがガサガサと揺れた。
「ほら来た!」
「本当だ!」
一応、おびき寄せることには成功したらしい。
でも、ねえ・・・やり方、酷くね?

チラーミィとかいうポケモンはいろいろな角度からスプーンを見つめたり、匂いを嗅いだり・・・汚れを気にしている様子だった。

聞いたら、綺麗好きなポケモンだということで。

どうしても気になったのか、自分の尻尾を使って、スプーンの泥を払いだした。
「今よ!!」
ベルが握っていたロープを引っ張った。

クロッシュを支えていた木の枝が外れ、チラーミィが閉じ込められ・・・たと思いきや

「・・・まあ、ああなるよなあ」
クロッシュを持ち上げたチラーミィはトコトコと歩き始めていた。

ベルが呼び止めようとするが、チラーミィが聞く訳もなくそのまま行ってしまった。

「あーん、行っちゃった・・・」
「僕のクロッシュとスプーンまで・・・」
デントが更に落ち込んだのは言うまでもない。





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