#11



「下ろせって!」
「嫌だよ」
「んでだよったく!」

ベッドに少し乱暴にヤヅキを下ろすと、腕を少し強く掴んで服をまくった

「ほら・・・血が出てるし。旅を初めてすぐの時、怪我したら言ってねって言ったと思うんだけど?」
※前作、18参照w

「・・・;」
ヤヅキはフラフラと視線をさまよわせた。

「・・・別に、これぐらいなら慣れてるしさ。」
アザもできている腕を見ながら呟いた。

「痛いんでしょ?ゴミを運ぶ時に妙に怪我した腕をかばっていたし」
こいつの観察眼、舐めないようにしよう・・・。
意外と細かいところまで見てるデントに驚く。

「・・・。」
「ヤヅキ、本当に怪我したら、言ってよ。そんなに僕らが信用できない?」
「ッ!!そんなことは!?」

「・・・もっと頼っていいんだよ?ヤヅキは問題があっても一人で解決しようとすることがあったりするから。一人じゃ解決できなこともたくさんあると思う。その時は、僕らに頼っていいんだ」
「・・・わかった」
「でも、怪我のことは別だからね」
「いふぁいいふぁい!!」
頬を軽くつねられ、涙目になるヤヅキ。

そんなヤヅキに構うことなく手当をはじめるのだった





幼稚園の一件が終わり、旅を続けるサトシ達。

静かな川沿いの道を、ヤヅキは鞄の中をいじりながら、他のメンバーはいつもどおり歩いていた。

「ちょっとちょっとー!!待って待ってー!!」
後ろから呼び止める声が聞こえてきた。

振り向くと、緑の帽子をかぶった金髪の女の子がこちらへ走ってきていた。
・・・が、その途中で石につまずいて

「きゃああッ!」
悲鳴を上げながら走ってくる。

アイリスとヤヅキは避けるが、サトシとデントはぶつかってしまう。
「・・・な!?」
一応避けれていたのだが、サトシとデントの巻沿いを食らって一緒に川に落ちた。


「・・・!?ちょ、2人ともッ!ヤヅキが!!」
「え?うわああ!?ごめん〜!!」
ヤヅキが2人の下敷きにされていることに気づいたアイリスは叫ぶ。

ヤヅキは片手で何とかシェイミを守っていたが、うつぶせなので顔は水の中だった

「〜ッ!はぁッ!ぇほ、げほッ」
「だ、大丈夫かい!?」
「なんとか・・・あと少しで水死してた←」

カバンは何故か陸にあった。
ああ、そういえば・・・こうなる前、手に持ってたんだっけ。
んで、落ちる前に投げ飛ばしたのかな・・・?

ひとまず川からでる3人。

サトシとデントは服を脱いで、いつの間にか用意してあった火を使って乾かし始めた。
ヤヅキはそのままだ。
「ああ・・・多分風邪ひくな」

その傍らではぶつかってきた張本人が頭を下げまくっていた。

「・・・て、貴方は乾かさないの?」
「自分は脱げねえよ」
「え?どうして?」
「どうしてって・・・女にこんなところで脱げって言うか?普通」

その時、その場の空気が凍りついた。
「・・・え?自分、何か言ったっけ?」
「ええ!?ヤヅキって女だったの!?」
「え、逆に知らなかったの???」

今まで男だと思っていたサトシとデント、見た時から男だと認識していたベルは相当驚いたようで。
「「「ええ〜〜!!??」」」
「・・・やっぱり?」
「アイリス!?やっぱりってどういうことだい!?」

少しパニックに陥っているデントがアイリスに聞いた。

「いや、ヤヅキは自分から男だって言ってなかったし・・・妙に女の子ぽかったし?」
「・・・ま、自分、女なんで」





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