#10



そこで、サトシが名乗り出た。
「俺が行きます!」
「サトシ君」
「こういう戦隊ごっこって俺もよくやったから、アイツらの気持ちがなんかわかるんです」

(あ〜・・・眠い←)
ヤヅキはどうでもいいことを考えていた


しばらくして、サトシが子供たちに捕まったらしい。
「・・・アホかお前は!!」
思わず怒鳴ったヤヅキ。


「サトシ君、子供達と盛り上がっちゃってるみたい」
「なにやってんのよ〜」
「しょうがないなぁ」

流石に呆れる皆。

「みんなー
あたしとちゃんとお話しましょう」



「サトシ〜、どーしてそっちの仲間になってんのよ?」
「つい流れでこーなっちゃったんだよ」
「おまえ一回あの世逝け」

「字が違うんだけど!?」
さらっとひどいことを言うヤヅキ。
それもそうだろ。
ヤヅキのイライラが少しずつ上がってきているからだw

「あなたたち、いつまでそこに立て篭もっているつもりなの?」


とうとう押し問答に持ち込まれるのだった。
「せんせいがヤブクロンをかってもいいっていうまでだい!!」
「それはダメだって言ったでしょ!?わかってちょうだい!!」
「わかんない!!」
「「「「わかんない!!」」」」

「ユリ先生!!少しは子供達の話も聞いてあげてよ」
「サトシ君!あなたは黙ってて!!」

ユリ先生からキツい言葉が飛んだ。
流石先生と言うか、怒ってるのか・・・。

もう少し、冷静になって欲しいものだ。

「あたしは子供達を守らなきゃならないの!!
こうなったら力尽くでもヤブクロンには出ていってもらいます!!出てきて!!シキジカ!!」
「シキ!!」

またもや流れで、サトシのピカチュウとシキジカのバトルが始まった。
ヤヅキはそのバトルに見向きもせず、考え事をしていた。

(なんでユリ先生はヤブクロンが嫌なんだ?臭いから、なんていう理由だったら、差別じゃねえの?先生だってポケモン持ってるのに。)

「ッ!!」
ふとシキジカ達の方を見ると、スクラップの山に体当たり仕掛けているシキジカの姿が。

「っくそ!!」
急いで走り、シキジカとスクラップを支える。

「何ぼさっとしてんだ!!早く逃げろ!!いつ崩れるか、分かんねんだぞ!!」





「・・・シェイミ、お前は避難してろ。んで、サトシとガキの避難の手伝いだ」
「ミィ!!」

一声鳴いてかけていくシェイミ。

「・・・よし、シキジカ、頑張って支えるぞ!」
「シキィ〜・・・」


ガキの一人にスクラップが当たりそうになる。

「シェイミ!スクラップにエナジーボール!弾き飛ばしてやれ!」
「ミィー!!」

シェイミがスクラップをぶっ飛ばす。
その間にサトシ達は安全圏に逃げることができたようだ。

「うわお!?」

支えていたこちらにもスクラップが倒れてきた。
避けようとするが、シキジカに当たりそうになってた。

「シキジカ!!」
「!?」
もうここを支えなくてもいいか、と判断したヤヅキはシキジカを抱えて素早く飛びのいた。

その時、腕にスクラップが当たったが、気にしなかった。


「・・・シキジカ、怪我はねえか?」
「シ、シキ??」
「自分は大丈夫・・・疲れたけど」
その場にペタンと座り込む。

「・・・腕やられたw」
スクラップが当たったところを見てみれば、赤くなっていた。



晴れて幼稚園にいることになったヤブクロン。
・・・ヤヅキ達はと言うと

「なんで俺らがゴミ処理しなきゃなんねえんだよ」
怒りのあまり、一人称が変わっているヤヅキ。

「このテイストは渋すぎる」
「子供達とヤブクロンのためだ!」
一人張り切るサトシ。

「ったく、元気だよなあ」
痛めた腕をかばいながらゴミ処理を進めていく。


「・・・ヤヅキ、ちょっと来て」
「あ?」
「腕、見せてよ」
「は?んでだよ」

「じゃあいいや。勝手に見るから」
「え、ひゃッ・・・!?」
(あ、可愛いw)
急に横抱きにされて驚くヤヅキを差し置いて、建物へと足を進めるデント。

「・・・デント?」
「まあ、ほうっといてあげましょ」
アイリスは少しニヤニヤしていたとか。

※アイリスはヤヅキが女なんじゃないかと考えている。本人には聴きにくくて聞けないらしい。
(皆は男だと思ってるみたいだけど、女子なんじゃない? 自分から男だって言ってたわけじゃないしね・・・。)







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