#6



さっきのイシズマイを3体のイシズマイが取り囲んでいるのが見えた。
「・・・なんだ、あいつら」

ヤヅキの目が鋭くなる。

「イーマ!」
一番でかいイシズマイが、子分(?)に何かを言った。
ヤヅキには、何を言ったかちゃんと聞き取れていた。

「ッ!」
急いで駆け出すヤヅキ。

子分のイシズマイに攻撃され、地面を転がるさっきのイシズマイ。
「イマァ!?」

イシズマイも負けじと攻撃し返すが、2対1だと不利なのは明確で。
そして、3体のイシズマイはイシズマイが苦労して作り上げた家を奪って、あなをほるを使ってその場を去ってしまった。

イシズマイも直ぐに追いかける。

「あのイシズマイ、家を取り戻す気だな」
「よし、ヤナップ!!」
いつの間にかヤヅキの元に集まってきていたデント達に驚くヤヅキ。

「ヤナップ、穴を掘るでイシズマイ達を追ってくれ」
「ヤナッ!!」
ヤナップは元気に返事をすると地中へと潜っていった。

「・・・じゃ、自分は上空からだな。」
フライゴンをだすとすぐさま跨り、飛び去っていった。






「あんにゃろう・・・フライゴン、シェイミ。イシズマイ達を見つけたら、速攻で龍の息吹とマジカルリーフな。」

そう言ったヤヅキの顔はかなり怖かったという。
しばらくして、イシズマイを見つけられず戻ったヤヅキ。
その場には、デントたちと家を取られてしまったイシズマイがいた。

「やほ。何やってるのさ。」
事情を聞いたところ、イシズマイが地中から出て来て、話をしようと追いかけてたら・・・みたいな。
「・・・まあ、苦労して作った家だしな。
取り返したいのはわかるけど、3対1はどう考えても不利だ。」
「イママ!」
「え!?」
イシズマイは再び地面に潜っていってしまった。
「・・・助太刀はいらないって。」
やれやれ、という感じのヤヅキが言った。

そして、再びイシズマイを探すことにした。






夕方になるまで探し続けたヤヅキ達。

今日のところは見つからなかったので、デントからの提案で一旦切り上げて夕食にすることにした。
「・・・そーいや、昼飯食ってねえ」
と、苦笑いしながら腹をさするヤヅキだった。


「どうだ、イシズマイ。デントのポケモンフーズはうまいだろ?」
「イマ!!」

食事に釣られてやってきたイシズマイと交流する。
そんな会話が交わされる中、ヤナップの様子がおかしいことに気がついたヤヅキ。
「あ!」
急いで駆け寄り、倒れる寸前で抱き上げた。

「デント!来て!!」
「ヤナップ!?どうしたんだい?」

ヤヅキの腕の中にいるヤナップの額に手をやると熱かった。
「・・・すごい熱だ」
「昼間、岩が・・・いたたたッ!!」
サトシが言おうとしたことを悟ったヤヅキは、彼の足を思いっきり踏みつけた。

「・・・熱を抑える薬とかないのか?」
「困ったことに、薬を切らしているんだ。」

そこで名乗り出たのはアイリスだった。
「だったら任せて!熱冷ましになそうな薬草があったの。とってくる!」
そう言い残してキバゴと共に去って行った。



「・・・ひとまず、寝かせようか。」
「ありがとう、ヤヅキ」
「いや、自分は何もやってないし。」
何故かデントに礼を言われ、淡々と返してヤナップを寝かせた。



アイリスが煎じてくれた薬を飲んだヤナップは寝始めようとしていた。
「・・・?どうした?」
ヤヅキがヤナップをなでると、服を掴んできた。

「ヤナ・・・」
「・・・わかった」
ヤナップの隣に寝転がるヤヅキ。

そうすると、安心したように寝始めた。
「・・・あ、シェイミ」
「ミ?」
「アロマセラピー、頼める?」
「ミィ!!」

ポケモンたちをリラックスさせるアロマセラピー。
これでぐっすりと眠れるだろう。


「アイリス、ありがとう。ヤヅキも」
「自分は何もやってねえし・・・;」


夜、ヤヅキはヤナップと寝ることにした。
ヤナップが服を掴んだまま離さないため、諦めたのだった。





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