#４



「くっ・・・次はこいつだ！」
「行くよ、ロトム！！」

「ジャノー！」
「ロト！」

今回の先攻はヤヅキだった。
「行くよ！エレキボール！」
「交わしてグラスミキサー！」
ロトムのエレキボールを持ち前のスピードで交わし、グラスミキサーの体制に入るジャノビー。

「・・・影分身！！」
「ロトー！！」
「ジャ！？」

ジャノビーを取り囲むようにして増えたロトムの幻。
戸惑うジャノビー。
それを見たヤヅキの口角がつり上がった。

「よし！怪しい光っ！！」
「ロー、トっ！！」

怪しい光によって混乱状態にされたジャノビーに、祟り目が炸裂した。
それでも倒れなかったジャノビーだが、混乱と祟り目のダメージでフラフラだった。

「くっ！！ジャノビー、居合切りだっ！！」
「ジャ、ノー！！」
混乱を振り切って攻撃を繰り出したジャノビー。

ヤヅキは何故か指示を出さなかった。

「ああ！？」
ロトムに居合切りが炸裂したかのように見えた・・・が。

「ロト？？」
無傷で、ノーダメージだった。

「ロトム、エレキボール！！」
居合切りの勢いでロトムに背を向けたままのジャノビーに、エレキボールが命中した。

そのまま、スローモーションのようにゆっくりと倒れるジャノビー。

「！ ジャノビー！？」
「よしよし、よくやった・・・。」
ロトムと戯れるヤヅキ。
その表情はいつもより優しかった。

「っ・・・何故、ロトムは居合切りを食らったのに無傷だったんだ！？」
「何言ってんの、ロトムは電気、ゴーストタイプ・・・忘れたの？ゴーストタイプを持つロトムには、ノーマルタイプの技は効かない・・・。君がよく言う『基本』じゃないのか？？」

それを聞いていた観客席のデント達は、「だからあんなに余裕だったのか・・・」と、納得した。

「さあ、最後だ・・・頑張ろう、フライゴン。」
「フライ！！」

「ハトーボー！！」
「クルルっ！！」
おお・・・鳩だ。鳩のちょっとデカイ版だww

「僕から行く！奮い立てる！！」
「ボォォ！！」
「燕返し！！」

奮い立てるは、攻撃力をあげるやつだったかな・・・。
サトシ達は出た！とか言ってるから、多分サトシもこのコンボを食らわされたのだろう。

・・・よし、フライゴンなら行ける！！

「捕まえろ！！」
「ボッ！？」
燕返しのダメージは多少受けたが、受け止められたことで身動きがとれないようだった。

「ドラゴンクロー！！」
「フラァー！」
「ボーー！！」
攻撃のために手を離した瞬間ハトーボーは避ける体制になり、ぱっと離れようとしたが、フライゴンのドラゴンクローが直撃する方が早かった。

地面に叩きつけられそうになるが、何とか体制を戻したハトーボー。
「龍の息吹！！」

すぐ回避に移ろうとしたハトーボーだったが、ドラゴンクローのダメージから回復できておらず、直で食らった。

今度こそは地面に叩きつけられ、目を回してしまった。

「ハトーボー戦闘不能！よって勝者、ヤヅキ！！」

「・・・いい感じだったぞ、フライゴン。初めてなのに；」
「フラーイ♪」
快勝を収めたフライゴンはいつもよりご機嫌だった。

「・・・バチュル、大丈夫？」
声をかけると、フードがもぞもぞと動き、黄色が顔を出した。

「今は大丈夫か？」
「・・・バチュ。」
「そりゃよかった。お前、バトルあんま好きじゃないんだろ？強制はしないから、バトルしたくなかったら、言えよ？」

バチュルの反応からして、図星だったようだ。
「バ、バチュ」
少し戸惑いながらも返事をしてくれたバチュル。

その頭をそっと撫でてやれば、嬉しそうに笑い返してくれた。


「・・・ヤヅキ、いいバトルをさせてもらった。・・・負けてばっかりじゃいられない。次は・・・勝ちに行く。」
「ああ。ポケモンたちがやりたいっていえば、いつでも相手になってやるよ。」

シューティーはジョージさんに礼をいい、サトシと言葉を交わして、バトルクラブを去って行った。





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