#19



その時。

ドカンッ!!
キバゴ達が走っていった方向から、派手な爆発音が聞こえてきた。

「あれはキバゴ……」

「龍のくしゃ……じゃなくて怒り!!」

キバゴ達の身に、何かあったようだ。
ヤヅキは直ぐにフライゴンを出して、またがった。

「あの煙が上がってるところまで!!」

直ぐに指示を出し、皆の所を離れる。

「ヤヅキ!!」

「先に行く!!ちゃんと来いよ!!」

一足先にピカチュウ達の元へ向かった。

「ッ!?なんだあれ!」

紫の、でかいムカデみたいなポケモンが暴れまわっていた。
ピカチュウやシェイミ達はそいつを説得しようとしてるみたいだが、聞いてくれないようだ。

「ペンドーッ!!ペンッ!!」

「あいつの頭の・・・あれ、もしかしてキバゴ?」

暴れまわっている紫の頭の触覚のような部分に挟まっているキバゴの姿が確認できた。
ピカチュウ達は、サトシ達を呼びに行くためか、一旦その場を離れていった。

「ありゃりゃ・・・」

あのポケモンは、キバゴを落とそうとして暴れてるわけか・・・。
なら、何とかしてとってやんええとな。

とうとう、ペンドラーがサトシ達の元へたどり着いた。

「フライゴン、一旦降りてくれ!」

フライゴンに一言礼を言って、サトシ達と並ぶ。

それと同時に紫が液体を吐き出した。

「うぇ!?」

何とかかわしてうげっという顔をする。

「うーわ、よだれ?」

「よだれじゃないよ!?」

ヤヅキのつぶやきに思わずツッコミを入れるデント。
さっくりスルーしてポケモンに集中する。

「ッ!アイリス!サトシ!!」

「ミィ!!」

2人にあの液体が迫っていることに気づいたヤヅキは、駆け出した。

「え?うわッ!?」

「あわわッ!」

2人を押して何とか回避する。

倒れる前に上手く自分の体を下に回して、自分をクッション替わりにした。

ふう・・・と一息つけば、再びドダダダッ!

という音と共に振動が響いてきた。

「休んでる暇はないみてェだな」

未だに動けずにいる2人に声をかければ、ハッとした表情を見せた。

「俺たちに任せろ!デント、ペンドラーを止めるぞ!」

今更だけど、あのムカデ ペンドラーって言うんだ。

「いけ、ヤナップ!」

「頼むぞ!ツタージャ、君に決めた!!」

早速ポケモンを出す2人。
相性悪くね?
まあ、こっちも頃合を見て乱入してやりますか。

「タネマシンガン!!」

「ナプー!!」

先手をとったのはデントのヤナップだった。
ペンドラーの足元を狙って打ち、上手く足止めする。

「いまだ!つるのムチ!!」

「タージャッ!!」

つるのムチをペンドラーの触覚(?)に巻きつけたツタージャ。
しかし、相手の方が体躯も大きいので、振り回されてしまった。

「・・・遊園地の空中ブランコ?」

その光景を見て、思わず呟いてしまったヤヅキだった。
再び向かってきたペンドラー。
一旦ツタージャを戻し、ペンドラーの強大なパワーをどう攻略するか考えていると、アイリスが2人の前に出た。

「キバゴはあたしが助ける!!」

アイリスは腰につけてあったモンスターボールを取り出した。

「お」

「ほかにもポケモンを!?」

アイリスがキバゴ以外のポケモンを持っていることに驚くサトシ達。
自分もちょっと吃驚したけど。
そして、ボールを投げる動作へと移ったが、アイリスは小さく唸りながらポケモンを出すことをためらっていた。

「えぇーい!!イチかバチかよ!!出て来て、ドリュウズ!!」

ボールから出てきたのは、丸まっているポケモンだった。
落下してくるが、受身も取らずというか、一切動こうとしていなかった。
その光景に驚きの声をあげるサトシとデント。

「今日もご機嫌ナナメか……」
はぁ〜……と深くため息をつくアイリス。

サトシが図鑑を出して調べるが、図鑑に表示される画像とは違って見えた。

「ドリュウズは地中を掘り進む時にあーいう姿に変わるんだよ
でも地上であれはどういうことだろうね」

「ねてるの?」

そんなことを話している2人をよそに、アイリスはドリュウズに駆け寄った。

「お願いドリュウズ、力を貸して!」

嘆願するも、無視を決め込んだのかピクリとも動こうとしない。
その時だった。





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