#17



33、34



シッポウシティへの道中、何故かアイリスとデントのバトルが勃発していた。

喧嘩でもしたのか?(笑)

そのバトルを眺めているサトシはむすっとしている。
……マジで何が起こったの?

「なんだよ〜……バトルなら俺たちとやろうぜ!」

「ピィカッ!」

未だ不満そうにしている1人と1匹。

「だーめ!君たちバトルになると絶対本気で来るでしょ!?」

「そりゃバトルだし」

「ほーら子供なんだからぁ。あたしのキバゴにボルテッカー何かきめられたらたまんないわよ!」

「じゃあボルテッカーなしで!!」

「いいから黙って見ててよ!!そんなにバトルしたいなら、ヤヅキとすればいいじゃない!」

話に入り込む隙が全くない上に、話の内容が全くつかめない。

・・・て、え?
バトル?
喧嘩(?)の原因て、バトル?

う、え?よし、ここは寝たふり。

なんとなく嫌な予感がしたので、狸寝入りを決め込む。

「そうか!それもそうだな!って、ヤヅキ寝てるし」

「起こせばいいじゃない」

「ヤヅキって、寝起き悪くなかった?」

「あ〜……」

ふう。直感がめんどくさそうなことを察知してくれたおかげで、バトル回避!
いや、休める時は休みたい。

「なら、黙ってて」

「……はいはい」

最終的にサトシが負けた。

「キバキバッ!!」

フィールドに出ているキバゴはやる気十分のようで。
……とりあえず、バトル関係の何かでもめたんだな?

「気合入ってるわね〜キバゴ。それじゃ、始めよっか!」

「キバァ!!」

この会話とデントとアイリスの立ち位置から察して、やはりバトルを始めるらしい。
そういえば、アイリスのバトル、見たことない。

この際に拝見させて頂きますか。

片目を薄く開いてフィールドを見た。

それより、さっきデントが言った『オーダー通り』と言う言葉が気になる。
サトシも疑問を持ってたみたいだけど。

「キバゴ!ひっかく攻撃!」

先手はアイリスが取った。

「ロト〜」

「……ロトム?」

「バチュー」
「バチュルも……いつの間に出てきたの?」

いつの間にか出てきていた2匹を横目に、アイリス達の様子を伺う。

「ヤナップ、タネマシンガン!優しくネ」

「ナッ!」

「優しく?」

デントの指示に同時に疑問符を浮かべるヤヅキとサトシ。

ヤナップはキバゴにゆっくりと近づき、タネマシンガンの種を一粒だけ、それもすんごく弱く飛ばした。
それでも、当てられたキバゴは痛そうだった。

「あぁ!キバゴ!」

「…………なんだ?今の」

今、サトシと全く同じこと考えてた。

「キバゴ、痛い?」

あれでも痛いのか。
ま、そういうこともあるんだろう。たぶん。
でも、あの威力でタネマシンガンできるヤナップもすごいよな、ある意味。

「え〜……今ぐらいのパワーでもダメ?」

「ヤナ?」

「キバゴ、練習なんだから、頑張って!」

頭を押さえて涙目になっているキバゴを励ます。

「練習?このバトルが?」

「そう、それがオーダー。キバゴをバトルにならしていく練習だから、こっちはどんな技もソフトに、本気の20%でやるって約束なんだ」

ヤナップは自分の手に種マシンガンを当てて、威力を確かめていた。
これでもダメなの?とでも言いたそうな表情で。

ヤヅキはそんなこと知らずにバチュルとロトムと戯れていた。
更にシェイミも加わって。

「サトシはそーいうところが子供なのッ!!」

「!?」

アイリスの怒鳴り声に近い大声が聞こえて、肩をビクッと震わせるヤヅキ。

「そこでどなっちゃうあたりがなぁ……」

あーびっくりした。心臓に悪いよもう、

「・・・」
そのままヤヅキがうつむき、顔を曇らせたのを見たシェイミ達は小首をかしげた。

[大丈夫?]
「シェイミ?・・・大丈夫だけど、大丈夫じゃなさそうに見えた?」
[うん・・・元気無さそうだよ?]
「バチュルまで・・・;大丈夫。お前らが気にすることじゃないさ。」

そんなことをしている間にあちらの話はかなり進んでいたようだ。

たまたまフィールドを見たとき、アイリスがキバゴに指示を出していた。

「キバゴ!龍の怒り!!」
「キバッ!!」
キバゴのお腹あたりが青く輝き始めた

「・・・何か、嫌な予感がする。お前ら、ちょっと寄れ。」
ヤヅキが少し慌てて自分のポケモンたちを集めると腹に抱えるようにして、更に脱いだ上着をかぶせた。


「キバッキッ!!」
ドカンッ!!!






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