#15



29,30




曲げやすくなったフックはヤナップのたねマシンガンで曲げられた。
そこにミジュマルの水鉄砲。
フックは冷やされ、持てる状態になった。

「よし、あとは鐘にはめれば!!」

だが、1つ問題があった

「でもどうするの?」

「はしごでもない限り届かないなぁ……」

そう悩んでいると、ヤヅキとサトシ、ピカチュウの体が浮いた。

「……サイコキネシスか」

シェイミは下で待機していた。
ピカチュウからフックを受け取ったサトシが鐘とフックを連結させようとするが、手が届かないようだったw

「自分も手伝う」

そう言って手を伸ばしたその瞬間。

ヒヒダルマが瞑想モードから活動モードに戻り、サイコキネシスが解かれた。

「ッ!?(なんつうタイミング!?)」

「うわッ!?」

そのまま落ちるかと思ったが、ヒヒダルマが鐘を持ち上げたので助かった。

ヒヒダルマは、サトシ達を乗せたまま鐘を上に投げた。
そして壁を蹴って器用に鐘をキャッチした。

「サンキュー、助かったよヒヒダルマ」

「ま、鐘ごと投げられたことは保留しよう。結果的に収まったから。とりあえずありがとう」

簡単に礼を言っておろしてもらう。
流石にここから飛び降りて怪我しないとは思えない。

とりあえず、鐘を元に戻すことにも成功したし。
ダルマッカたちはヒヒダルマにかけよる
ヒヒダルマはダルマッカたちの頭を撫でてあげていた

「ダルマッカァ!!」
「ダルダルマッカ!」
「ダル!!」

「いやいや……お前らこそおつかれさん。」

「ヤヅキ、ダルマッカ達はなんて言ったの?」

デントに尋ねられたので、答える。

「ありがとう、だってよ。ヒヒダルマはお前たちのおかげで助かったってさ。」

「ダルダルマッカ!」

「お前らも頑張ったな。」

同じ目線までしゃがみ、頭を撫でる。
ダルマッカ達は嬉しそうに目を細めていた。

次の日。

「よーし!今日も元気に出発だー!!」

「・・・チッ」

「え、なんで舌打ち?」

「朝からうっせえんだよ馬鹿。耳が痛いの!」

「あ、ごめん」

昨日の一件のおかげで昼食と夕飯が食えなかった上に睡眠時間を削られたヤヅキはかなり不機嫌だった。
もとから寝起きの悪い奴なので、怖さ三割増である。

(……ヤヅキって寝起き悪いんだね)

その光景を見ていた2人が同時に同じことを思っていたw

シェイミはサトシと同じように元気なのだが。
……昨日ポケモンセンターに戻る途中から寝ていたせいだろうか?

わいわいやっていたら、ジョーイが追いかけてきた。

「みんなー!」

「ジョーイさん!?」

こちらに走ってきたジョーイさんに驚く一同。

「時計塔の取り壊しが中止に!それだけ伝えようと思って」

「へ?え、どういうことですか?」

「傷んでた箇所を全て修理して町で保存するそうです」

「ホントですか!?」

それを聞いて喜ぶアイリスとキバゴ。

「キバキバ!」

「えぇ!そしてこれまで時計塔を守ってくれてた感謝のしるしに、ヒヒダルマとダルマッカたちがそこに住めるようにしてくれるそうです」

「んー!人もポケモンもみんなが幸せになれる豊潤な計らいだ!」

「お」

ふと時計塔を見返したヤヅキが声をあげたので見てれば赤いものが見えた。
よく見ればそれはヒヒダルマと2匹のダルマッカだった。

「おーい!ヒヒダルマ!ダルマッカ!よかったなー!!」

「ピカピカァチュー!」

「元気でねー!」

「キバキ!!」

「また会おう!!」

サトシ達3人が別れの言葉を言った。

「……ふふっ」

ヤヅキは黙って手を振っていた。
ヒヒダルマとダルマッカたちが手をふっている様子を少し見るとまたサトシたちは歩き始めた。


ダルマッカたちと協力し、ヒヒダルマを助けたサトシたち。
次のジムがあるシッポウシティへの旅はまだまだ続く。





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