小説 のコピー | ナノ
「いやいや、絶対熱いですって」
「大丈夫。チョコレートソースだし」
「第一、バレンタイン過ぎてますよ」
「気にすんな」

見せつけるように舌なめずりした裕信さんは早速、俺の貧相な体にチョコレートを垂らした。
鎖骨から乳首に臍、そしてペニスまで。チョコレートによって道が作られる。噎せ返るくらいの甘ったるい匂いに酔いつつ俺は訪れるだろう快感に身を震わせた。

「勃ってる」
「あ!っん」

ゆるく擡げかかってるペニスを指で弾かれるとチョコレートが内股を伝ってシーツを汚した。
粗相をしてしまったようで恥ずかしくて枕に顔を押し付けているとこめかみに優しくキスをされた。
そしてそのまま唇は、鎖骨のチョコレートを掬い乳首にまで到達した。

「舐めて欲しい?」
「…うん」
「どういうふうに?」
「ふあ、いっぱいしゃぶって…」

そう言って胸をのけ反らせると要望通り裕信さんは乳首を舐めてくれた。
くにくに、舌先でいじめたと思ったら強く吸われる。

「ん、んぅ…か、かんで…」
「噛むの?」
「う、ん」
「こう?」
「ひあっ!…そうっ…!」

軽く歯を立てられたらビクンと大きく体が震えた。
でも裕信さんは、そんなことお構いなしに俺を責め続けた。
乳首がふやけるんじゃないかって危惧した頃にやっと唇は離れたが、今度はすっかり上を向いたペニスにそれは迫っていた。

「はうっ…!」

ぱっくり、と咥えられて敏感な亀頭の部分は舌で責められる。
裕信さんが口を動かすに連れて、やらしい音があふれ出た。

「あ、あっ、…んぅっ!」
「甘い、な」
「やんっ…、ば、かぁ」
「もっとかけてやるよ」

本当に憎らしい表情をするのにそれが様になってるから恨めしい。
美形ってなにかと得だ。

「んっ…つめたぁ」
「ドロドロだな」
「や、あん!」

「おい、チョコレートソース知らな―――」

この後、裕信さんがトラさんにこっぴどく叱られたのは言うまでもない。

おわり




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