「あっあっ、あうう、ん、ん、ばっ、ばか、いぬぅ……!」
「ごっ、ごめ、だっ、しんく、っん、のまん、こ、きもち、いっ、ああ!」
射精したばかりの体に強烈な刺激が走り、晋汰は抵抗が出来ず、光樹を睨み付けてみたが嬉しそうな顔をされる。
さらにその間も律動はやむことなく、むしろ激しくなってきた。
「あ、んあ、はっ、あっあっ、も、またっ」
「ん、ん、おれっ、も」
体全体を密着させるように光樹は前屈みになる。そして犬のように晋汰の口元を舐め回した。
「んむ、っあ、ああ、うああ、やああっ!!」
「しんくっ、しんくんっあ!でっ、る、んん!!」
そして二人はほぼ同時に達して、体を震わせる。光樹はピッタリと腰を押し付けたまま、自身の精液を奥に注ぎ込みながら、ぐりぐりと刺激した。
「はぁ、しんくんの中、おれでいっぱいだぁ……」
「っん」
光樹は、ゆっくりと、ゆっくりとペニスを抜き出していく。抜かないで、と言うように締め付ける内壁と零れ落ちる精液をとろん、とした瞳で熱く見つめた。
すべて抜き終わると、晋汰のアナルからは、ぐぷ、と精液が溢れ出してマットを汚す。
その瞬間の言い様のない征服感に光樹が感嘆のため息をついたときだった。
「糞犬っ!!」
「っい"!!!」
光樹のペニスにかなりの衝撃が走ったのだ。一歩間違えれば不能になるのでは、と危惧するほど強烈なかかと落としだった。
実際、痛みは後をひき脂汗がじわじわわき出る。思わず前屈みになって股間をおさえるが痛みがなくなるはずもなく、涙が溢れ出す。
「おい、ゴラ。誰が奥まで挿れて中出しして良いって言ったよ、あぁ?」
「っあ"、晋くっ、やめっ」
かなりの低音を発しながら、晋汰は追い討ちをかけるように光樹のペニスを握り締める。それほど力は入って無かったが、今の光樹にとってはただならぬ刺激だ。しかし。
「…………お前、ほんと頭おかしいんじゃねぇの?」
「あう、あ、……っん」
「有り得ねぇくらい、変態だな」
痛みすら、光樹には快感に変わる。証拠として、最初は痛みで萎えていたはずのペニスも今ではビンビンに勃ちあがっている。
晋汰はそれを指でピン、とはねてから光樹を押し倒す。
そして光樹の目の前で自分のアナルを割り開いて言った。
「ちゃんと綺麗にしろよ? 光樹?」
光樹は返事するよりも早く、アナルに舌を伸ばしたのだった。
* * *
カタカタ、とキーボードを素早く叩く光樹の机に生徒会会計である幡多 弦矢(はだ つるや)は、淹れた紅茶を置く。
そして、そのままじっと見つめていると光樹が嫌な顔せず言った。
「何かついてるかな?」
「そんなんじゃなくてぇ、それ、どうしたのぉ?」
そう弦矢が指差したのは、光樹の頬に貼られた湿布であった。かなりの大きさがあり、ちょうど人の手のひらほどだろうか。
ずっと気になっていたものの、言い出すタイミングが掴めなかったのだがようやく言えた。そう、どこか満足感に満ちた弦矢が返事を待っていると意外な反応が返ってきた。
「……ちょっと、猫にひっかかれてね」
答えとしては、よくありそうで無さそうな信憑性の低い返事だ。しかし、弦矢が気になったのはそこではなく、光樹の表情だ。
いつもの爽やかな笑みではなく、妖艶とでもいうのだろうか。甘く淫らな笑みを浮かべて光樹は、その湿布をなぞったのだ。
瞬時に見てはいけないものを見たと悟った弦矢は、今日すべきことは終わらせていたので、さっさと荷物をまとめて生徒会室を後にした。
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