「や、やぁ……こす、れっ」
「わざとに決まってんじゃん……っ」
ぐっぐっと強く腰を動かされて、毅はなす術もなく喘いだ。
自分の太股の熱が如実に感じられて恥ずかしい反面、敏感なペニスの裏筋を擦られて気持ち良い。しかも、上に覆い被さる優はいつものヘラヘラしている表情ではなく少し切羽詰まっているようでドキドキする。
しかもこの体勢は男なのにまるで犯されているような錯覚をしてしまう。屈辱的だが、それを越える快感に毅は何も言えなかった。
「っ、んあ、あっあ、も、やっばい、ぃ」
「ん? 出ちゃうの? ほら、良いよっ……」
「あう、あっあっ、ああっ、だめ、だめぇ……」
ゆっさゆさ揺すぶられて、もう出るって思った瞬間だった。
「毅っ!!」
「ふあっ……!」
「い゛っ!」
優とは違う温もりに毅の体が締め付けられる。ぼやけていた視界に焦点を当てると、今にも泣きそうな情けない顔をした要がいた。
「な、なんで……」
「毅が消えた、と要が騒いでな。もしや、と思ったんだ」
「ワイパー……」
毅の肩口に鼻を擦りつけてぐずぐずしている要の代わりに後から入ってきた治が答えてくれた。靖は相変わらず意味の分からないことを言っているがその表情はいつもと比べると少し暗い気がする。心配してくれたんだろう。
「ずーっと前からイライラしてたんだけど、今回ばかりは許せないなぁ」
「え! ちょ、剛先輩! 優死にますから!!」
既に要に一発殴られて気絶している優を今にも殺しかねない雰囲気を纏った剛は指を鳴らす。慌てて毅が制しようとするが、それは要によって阻まれた。
「毅、俺を見て」
真剣なその眼差しに毅はドキリとするが、直ぐにそれは消え去った。
「えっ! ちょ、なに!?」
何故なら要が毅の膝裏に手を差し込みグッと押してきたからだ。
そうすると必然的に膝小僧が顔の横に来ることになり、すべてが丸見えになってしまう所謂、まんぐり返しの状態だ。
じろじろと不躾に送られてくる視線に頬を赤くしながら、毅はもがもがと抵抗してみる。けれども、要はピクリともせず毅は羞恥で泣きたくなった。
「どうだ、要。大丈夫だったか?」
そんな中、少し離れた場所にいたはずの治がこちらを覗きこんでくる。要に質問しているが、視線は毅の下半身だ。
「…………分からない」
「ちょ! 分からないって、その意味が分かんないよ、ば要! 見たら分かるでしょー」
「……元服?」
剛と靖まで来て毅は羞恥で死にそうだったが、四人はそんなことお構いなしに会話を続ける。
「……ふむ。これは分からないな……」
「ちょっと、治まで何言ってんのぉ? そんなの見たら分か――……んないね、これは」
「……おおかみ」
毅は皆の会話についていけず、早く足を戻させて欲しいと訴えようとしたが皆がギラギラとした瞳をしているのに直感的に冷や汗をかいた。
「な、なに……?ほら、要。早く離せって……」
「…………その前に確かめる」
「ばっ! どこ触っ……!」
要の長い指は優しい手付きで毅のアナルを撫でた。
さっきまでの優との行為のせいで垂れてきた先走りやらが、アナル付近にも届いておりぬるぬるとした感触が毅の背筋をひやひやさせる。
なんともいえない感覚に要の緩くなった拘束から毅は逃げ出そうともがいたが、不幸なことに傍観していたはずの剛が毅の足を制した。
「やだ、や……」
「我慢、我慢。確かめなきゃいけないんだから」
「確かめる、ってなにを……」
「犯されてないか、どうかだ」
「なっ!?」
楽しそうな剛とは違い治はいつものように落ち着きはらった口調で言うが、予想もしていなかった言葉に毅は目を見開いた。
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