なんと、俺と真中とはクラスまで同じで初対面から一ヶ月も経たないうちに、俺達は小さい頃から今までずっと一緒にいた親友みたいに仲良くなっていた。
現に今だって。
「一、今日の晩飯なに?」
「ん? 今日はしょうが焼きの予定」
「やった、俺一の作るしょうが焼き好きなんだ」
「ははは、褒めてもなんも出ねぇぞ、三郎よ」
「本当に好きなんだって、お世辞じゃないよ」
名前呼びにまで進展もしたし、俺が必死に努力した甲斐があって餌付けにも成功した。もう、これって結婚するしかなくね?
しかし、俺のそんな不純な気持ちをつゆも知らない三郎は無意識に毎日俺を惑わす攻撃をしてくる。朝に起きれないから起こしてくれ、と言われたので三郎の部屋にやや興奮しつつ行くと寝ぼけながら抱き付かれた。凄く良い匂いでした。夜には風呂上がりにタオルを腰に巻いただけで上がってくるのが常で、その綺麗な肉体を惜しみもなくさらけ出されて俺は「きゃー、露出狂よー」とかふざけて三郎とコミュニケーションをとるが内心はもう気が気じゃない。すぐにでも襲いかかりたい。
そんなことが毎日続けば、いくら菩薩のような優しさを猫被る俺でも我慢出来るわけがない。
なわけで今晩、襲おうと思う。幸い、三郎が一度寝たらなかなか、いや全く起きる気配がないのは実証済みなのでこっそり致したいと俺は考えている。今のけっこう居心地の良い関係を壊すことは少し躊躇いがあるが、バレなかったら良いのだ。
そう決意した俺は早速、今晩、事を実行するにあたっての準備を始めた。
***
「……っや、んぅ、はぁ」
自分のアナルに指を二本いれて、掻き回す。指先が前立腺をかすめるたび声が出そうになるのを枕に顔を押し付けることで阻止し、ひたすらほぐすことだけ考えて指を動かした。
三郎は、すでにベッドに入って就寝中だ。それも、俺が今日の夕食のスープに少しばかり睡眠薬を溶かしたからである。いくら、一度寝たら起きないといってももしもの事態があるかもしれないからな。用意は周到に!
「も、いいかな……っん」
ずる、と指を抜くとローションが糸をひいた。ズボンだけはいて、俺はタオル片手に三郎の部屋へと忍び込む。
そっと扉を開けると豆電球だけはついていて何も見えないことはなく、一安心する。もし真っ暗だったら目が慣れるまで待たなくちゃいけなかったからな。
ベッドまで抜き足差し足で進むとありがたいことに三郎は仰向けで寝てくれている。
俺は唾を飲み込んでから、なるべく静かに三郎の布団をめくる。鼓動を高鳴るのを感じながら俺は三郎のパジャマであるジャージのズボンに手をかけ、ゆっくりとおろした。
「っ!」
黒のボクサーとか男くさくてやばい!
しかも、その下着の膨らみからすると三郎のアレはなかなかのもので勃起したら……と想像するだけで唾液が溢れた。
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