小説 | ナノ
「すっげー、びくびくしてる」
「っあ!」

 ほら、と人差し指で敏感な先端を軽く弾かれて毅は震えた。優は耳たぶを甘く食むと器用に舌を動かして、そのまま耳を弄ぶ。
 相変わらずテレビからは甲高い女の喘ぎ声が響いていたが、もう二人の眼中に無かった。

「きもちい?」
「っ、ん……は……」
「やーらし」

 朦朧とする頭で思ったまま毅が頷くと、優は耳元でフッと笑う。その微かな振動さえも今は快感にしかならなくて、毅は抵抗することも忘れてただ優から与えられる快楽に酔っていた。

「ね、毅。俺もして良い?」
「へ? あっ……なに、んっ……!」

 言うや否や、優は軽々と毅を持ち上げてソファに押し倒す。そしてテキパキと毅の穿いていたズボンと下着を脱がせると男にしてはやや細い毅の白い太股に先走りでぬるぬるになった手を擦りつけた。

「ちょ……っ、くすぐったい……」
「毅は、こんなところも気持ち良いの?」

 にたり、とからかうような口調で意地悪く笑う優を怒鳴りつけたかったがそんな余裕が毅にあるはずなかった。今、ある程度高められたままペニスは放置状態で太股をつたう優の大きな手のひらは際どいところをなぞるように蠢く。もどかしくて思わず唇を噛んで、睨み付けるように見つめると優はわざとらしく、ああ、と呟いてニッコリとそれはもう爽やかに笑った。

「どうしたの?」
「……っ! おまっ……わざとだろ……」
「んー? なにがぁ?」
「あっ……! んぅ」

 長い指が少しだけペニスをなぞる。けれども、すぐに指は下の方、太股へと逆戻りして少ししかない肉を弄んだ。先ほどまで集中していたテレビの中の女のように肉つきが良いわけが全く無いのに、何が楽しいのか。毅は理解出来なくて今度は本当に優を睨み付けた。

「そんな瞳(め)されると、余計いじめたくなるんだけどな」
「っ……!」

 本当に楽しくて堪らないという顔をして、優は太股に這わせていた手を口元へと運び、見せつけるように赤い舌を覗かせながら手のひらについていた毅の残滓を舐め取った。その様は、なんとも妖艶で普段の爽やかな優とは真逆で毅はドキリとした。
 そんな毅を一瞥して、軽い笑いを零したあとに優は自身のベルトへと手をかけた。カチャカチャという金属音を部屋に響かせてから現われたのは、明らかな怒張をしめす下着の膨らみで、優は恥ずかしがることなく、むしろ見せつけるようにたぎったペニスを取り出した。

「そんなにじっと見て、毅ってばいやしいんだからぁ」
「なっ! 何言ってんだよ! ばかか!」
「ははっ! そんなに怒んないでよ、冗談、冗談!」
「〜〜っ!!」
「それよりもさ、毅。ちょっと足閉じてくれる?」
「え? …………こ、こう?」
「うん、そうそう。良いこ良いこ」
「お前ばかにしてんだろ……。……ってか……どうすんの?」
「見てればわかるよ」
「……え、ちょっ……。んあっ……や!」

 そう言うと優は言うとおり毅がピタリと合わせあった両の太股の間に自身の立ち上がったペニスを割り込ませて、腰をグラインドさせた。するとぬちゅ、という鈍い音と共にグロテスクなペニスが自身の太股の間を出入りする。それを見て毅はいたたまれない恥ずかしさに襲われたが、優が深く太股へと腰を打ち付けるほど互いのペニスが擦れ合うので快感が走り、焦らされていた毅は何も言えずにただ送られてくる律動に身を任せた。



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