小説 | ナノ
明らかに過激なSMモノを勧めてくる優を断って、結局二人は恋人設定というオーソドックスなDVDを見ることにした。
優は納得いかない顔をしながらもセッティングして再生ボタンを押す。するとテレビの中では女優と男優が手を繋いで歩くシーンが写し出された。

しょうもない前フリを見ながら二人はソファに並んで座っているが、緊張からか毅は体育座りをして身を縮めている。対して優は悠々とソファに腰掛けてテレビの画面を見るふりをして、横目で毅を観察した。

毅はおざなりな前置きが終わり、女優の下手くそな演技が始まると顔を真っ赤にしながらも画面を食い入るように見ていた。あんあん喘ぐ女優はうるさいほどだが、毅にとっては甘美な響きなのだろう。
テレビの中で早くも指が挿入されると毅は驚いたように目を丸くした。毅の視線はぐじゅぐじゅ抜き差しされる指に釘付けだ。

優がそんな毅を見て可愛いなぁ、と声を出さずに笑っていたら毅は足の爪先をモジモジと動かし始めた。おや、と優が片眉をあげてそっと近付くとどうやら勃起しているらしい。隙間からズボンが盛り上がっているのが見えた。

ニタリ、と笑ってから優はわざと心配するような声をかけた。

「ね、毅。苦しくないの?」
「え!?う、あ……………その…トイレ借りて良いか…?」

指摘された毅は更に顔を真っ赤にして慌てたが、少し時間を置いてから羞恥を承知で聞いてきた。
しかし優は笑って断った。

「別にここでして良いよ」
「え」
「だって見ながらヌきたいっしょ?」
「で、でも…」
「鑑賞会なんだから普通だって。ほら、脱いだ脱いだ!」
「ちょ、うわっ」

首を縦に振らない毅に優は強行手段に出た。
毅が履いていた寝間着のジャージを引っ張り、取り上げて部屋の隅へ放り投げたのだ。
毅は涙目で上のシャツを引っ張って下を隠すが生白い太股は優の欲を掻き立てた。

「うう…」
「よーし。俺がヌいてやろう!」
「は?え、ちょ、なにっ…!」

優は唸る毅を引き寄せて膝に乗せると、何の迷いもなく毅の下着を引き下げた。
すると、立ち上がった毅のペニスが冷たい空気に晒されて毅は思わず手のひらでペニスを覆って足を閉じようとする。しかし優はそれを許さず、鍛えあげた足と手を使って足をこじあけ腕を掴んで後ろから毅のペニスを堂々と覗いた。

「うっわ。すっげーピンク…」
「もっ…見んな!」
「意外と大きいし…」
「あっ、さ、わ…んな…っ!」

目をキラキラさせて優は毅のペニスに人差し指をあてた。すると尿道から先走りが溢れ出して、優の指を汚す。
それの滑りを使って優は毅のペニスをいじくり出した。

「あっ…ん、っ…」

鼻から抜けるような声が出て毅は唇を噛み締めた。
優の長い指は下から上へと裏筋をなぞって尿道をくりくりと擦る。そして、優しく握るとゆっくりと手を上下に動かした。

「…ん、…っ」
「声出して」
「ふ、あっ…!」

優が毅の真っ赤に染まった耳を食む。
毅は肩を竦めて身を捩ったが快感に苛まれてる状態では、それは抵抗と呼ぶには不十分だった。
耳を舐める度にピクピク震えて悶える毅に、耳の後ろはフェロモンが出るなんて言われるが、なるほどその通りだ、と優は感心した。




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