小説 | ナノ
透き通るような白い肌に綺麗なブロンド。日本人離れしたその端整な顔つきとスタイルにすべての者が見とれた。
彼の名前は中林 一真(なかばやし かずま)。
あの名高い中林グループの御曹司である。

堂々と歩く一真に寄せられる視線はすべて好意のものだが、打って変わって一歩下がって一真に付き添うように歩く高本 忠正(たかもと ただまさ)に向けられる視線は刺々しく厳しかった。
それも忠正は一真と同じクラス、同じ寮部屋で四六時中一真に引っ付き回る金魚のフンと学園の者達から認識されている上に、その凡庸な顔つきと愛想のない態度から不興を買っていたからである。

しかしどんな嫌がらせをされようて忠正は一真から離れることはなかった。
何故なら忠正は一真に忠誠を誓ったのだ。
主人を必ず守り、支え続けると。
それが代々の中林家と高本家の関係であり慣わしであった。



足を進めるうちに段々と人影も減り不躾な視線もなくなって一真が口を開いた。

「ね、ねぇ…忠正…」
「何でしょうか、一真様?」
「う。お、俺…部屋に戻ったら…ア、アレ、したい…」

さっきまでの堂々とした様子ではなく忠正を気遣うように一真が言う。
一真はこちらの弱気な感じが素で人がいる場合には中林たるもの気弱ではなく、堂々と!ということで猫を被っていた。
ちなみにこのことを学園内で知っているのは忠正のみである。

「…部屋に戻ったら直ぐに、でしょうか?」
「で、出来れば…」

顔を俯かせてモジモジする一真に忠正は思案した。
昨日もアレをしたのだが今日も、となると少し甘やかし過ぎているような気がする。
食事の用意もしたい。
けれども、口下手な一真様がわざわざ言ってくれた要望であるしどうしようか。
忠正が自分の中で「する」と「しない」を天秤にかけて量っていると一真がきゅっと忠正の裾を握った。

「だ、だめ…?」

一真はウルウルと瞳に涙をためて首を傾げた。
背も高く端整といっても男らしい一真がした行為は傍からみればおかしいものだが忠正の中の天秤は一気に傾いた。

「一真様のご要望ならば」

にっこりと微笑みを浮かべて忠正は膝をついて忠誠を誓った。


***

部屋に到着して直ぐに二人は寝室に向かった。
忠正は一真を優しくベッドに押し倒し首筋に唇を押し付ける。

「…ただまさ」

甘く囁かれる自分の名前を聞きながら、忠正は一真の衣服を脱がしていく。
シャツを脱がすと綺麗に筋肉のついた腹筋が目に入り舌を這わせる。
少し強く吸い付くと真っ白な肌に赤い鬱血が映えて忠正は人知れず口角をあげた。


「っあ…」

指は脇腹をなぞるようにして下へとおろし、忠正はゆっくりとベルトを外し始める。
その間も唇は腹や胸などを愛撫する。

チャックをおろして一真の協力と共にズボンを脱がせると濃紺のボクサーパンツ越しでもパッと見て分かるほど一真のペニスは立ち上がっていた。
忠正は素早くズボンとブレザーにシャツを脱いで下着一枚だけになる。
そしてそっと一真のペニスを下着越しに触った。

「ん…」

鼻から抜けるような一真の声に忠正は興奮した。
忠正が揉むようにペニスを刺激すると下着の中でくちゅくちゅと水音がする。
それは下着にもじわり、と染みて忠正の手を湿らせた。

「一真様すごい…」
「あっ!」

逞しい太股から下着の中へと手を潜り込ませてペニスに触れる。
大きなそれは、ビクビクと脈打ちとても熱い。
くにくにと先走りを使いペニスを刺激してやると更に先走りが溢れて忠正は下着をずらして迷いなく咥えこんだ。

「あ、む、んぅ」
「うあっ!た、だまさ!」

ぬるり、と温く柔らかい口内に一真は体が震える。
忠正は苦い味が口内に広がり眉をしかめそうになったが、一真のだと思うと愛しくなり夢中になってペニスを舐めた。




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