小説 | ナノ
裕信さんは俺の目前で指を立てる。
立てられた三本の指を見つめ、早く気持ち良くなりたくて俺は何度も頷いた。

「一つ目」
「んあっ」

中に指が一本増やされる。そしてそのまま指は期待どおり前立腺を優しく撫でてきた。

「明日からは寮に入れ」

熱に浮かされた頭は正常な機能を果たさない。いきなりなんで、とか疑問をぶつけることなく俺はとにかく頷いて、ぐちぐちと濡れるアナルに夢中だった。

「二つ目」

また指を増やされる。
けど三本もの指を受け入れたアナルはまだ、物足りないらしく裕信さんの指を締め付けた。

「何があっても俺達に関わるようなことは言うな」
「うあ!っ、ん」

強めに前立腺を押されて目の前で星が輝いた。
ぐりぐり、と指は的確に責めてきて俺のペニスから先走りが垂れる。その先走りは、ゆっくりとペニスからアナルまでつたって更なる潤滑油となって卑猥な水音を盛り上げた。

「三つ目」
「あっ…」

また指を増やされる、と鼓動を早めていたが逆にすべて抜かれてしまった。
ぬるん、と抜けてしまった指にアナルは寂しげに収縮してもどかしい。

しかし、その代わりに熱いペニスを宛てがわれる。
それはグロテスクな色合いでまるで生き物のようにビクビク脈打っているが俺は欲しくて堪らなかった。
欲望に従って裕信さんを見てみると視線がぶつかりあって射止められる。
相変わらず緑がかった瞳は綺麗でドキドキした。


「絶対に…、絶対に。誰にも抱かれるな」

いつもからは考え付かないような真摯な表情と声色に俺は身が震えた。

「裕信、さん」

裕信さんの頬に左手を添えると、その手をとられゆっくり握り締められる。
そのまま手を形の良い唇まで運ばれて薬指のあたりに優しくキスを落とされて、まるで恋人みたいな扱いにトラさんの時と同じように胸が高鳴り、じんわりと薬指から全身が熱くなっていった。


「――…てる」
「え?あ!あっ、や、あぅ」

裕信さんが目を伏せて何か呟いた後、すぐに挿入されて揺さぶりが始まった。
待ち焦がれてた刺激は体の隅々まで浸透して、頭がおかしくなるかと思うほど気持ち良い。

「んぅ、あっあっあっ」
「っ彰…」
「ひ、ろのぶっ、さ、むぅ」

口内に裕信さんの舌が入ってきて好き勝手に蹂躙される。
俺がなんとか答えようと、たどたどしくも舌を出すと互いの舌はゆっくりと絡み合った。

「ん…む、あぅ、ん」
「…ん」

普段は、本番の最中にこんなにも長い間キスをしたりしない。
けれども甘噛みされたり、したり、先と先だけで絡み合わせたりと俺達は長い時間キスをしていた。まるで唇が溶けてしまいそうなくらい。

そしてその間もピストン運動は止まることなく俺を追い上げてきていた。

「むぅ、ん、はっ…んん」

ちょうどペニスの亀頭を使って前立腺をゴリゴリ擦られる。
他にも奥まで突かれたり、ギリギリまで抜かれたり。
その度に体が震えてあまりの刺激に耐え切れず、裕信さんにしがみつくと優しく頭を撫でられた。

「っふ、は、あう…ん、あっあっ」
「は、っ…」
「んあ!あっ、も、うっ」

ようやく唇が解放される。
名残惜しかったが激しい責めに脳天がクラクラして何も考えられなくなってた。
裕信さんも同じなのか、眉間に皺を寄せて腰を動かした。

「やっ、あ、んぅ」
「っショウ…!」
「んあっ、あっあっ、はう、あ、ああっ…!」

俺の中で裕信さんのペニスが大きく脈打ち、奥の方で精液を注ぎ込むように破ぜたと共に俺も射精した。
じんわりと熱い精液が俺の中で広まるのが分かって嬉しい。
けど、俺の意識はぼんやりとフレームアウトしていく。

「っあ…」

壊れ物に触れるかのように優しく頭を撫でられたところで俺の意識は途切れてしまった。




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