小説 | ナノ
「も、もちろんです!」

レトは目を輝かせて答えた。
あの強くて優しく格好いいハヴェルがこんな自分を頼ってくれるのだからどんなことであろうと断るわけがない!と意気込み熱い視線を送るとハヴェルは一瞬、眉間に皺を寄せてから僅かだが顔を綻ばせた。

「ありがとう」
「い、いえ!おれ、ハヴェル様の役に立てるならなんでもします!」
「………寝転んでいるだけで良い」

良心がチクチクどころかグサグサ痛むが、ハヴェルは自分の性欲には勝てなかった。

そっと優しくレトの頬をなぞるとくすぐったいのか、レトは目を細める。
ハヴェルはその瞼に接吻をおとして、生白い首筋へと舌を這わせた。

「っん」

肉付きがあまり良くないため、くっきり浮き出たレトの鎖骨を甘く噛む。レトはピリッとする痛みに小さく喘いだ。
強く吸い付くと赤い鬱憤がよく映えて、無意識のうちにハヴェルの口角が上がった。

「…あっ…!」

今までほとんど触れたことが無かった乳首にも舌をつたわせる。
レトは体を少し捩るが優しく腰を掴んで制するとじっとした。
小さく主張を示すそこは淡い桃色だったが舌で押しつぶしたり、甘く噛んだり、吸ったりするとじんわりと赤く熟れていった。

「っ…ふ、ん…」

じっくり溶かすように舐め続けるとレトの声が段々、鼻にかかって甘ったるくなりハヴェルは腰を掴んでいた手を薄い腹へと添えた。
そのまま手を下に滑らすとレトは体を跳ねさせて驚いた表情をする。

「…嫌か」

乳首から口を離してハヴェルが問うとレトは困った顔をした。
これからするであろうことは、最初に無理矢理された時の痛みではなく"気持ち良い"という感覚が勝る。しかも叱咤や仕置される、ということではない。それは身をもってレトは理解していた。
けれど何故、ハヴェルがそれをしたがるのか分からずレトは戸惑う。あの"気持ち良い"は頭の中がこんがらがって意味が分からなくなるのに。
だけど―――。

「…い、やじゃ…ない、です…」

口とうだうだ悩む脳は別物で、気付けばそう答えていた。

「ありがとう」

ハヴェルが先ほどより顔を綻ばせて礼を言う。それにレトは胸が熱くなって欠片も悪い気持ちではなく、どこかふわふわと浮ついた。


「んふ、…あっ…」

ハヴェルは既に服を持ち上げてしまった場所を象るように触ったあと、手を滑り込ませた。
そこはじんわりと先走りで湿っており、ハヴェルが先を弾くとビクビクと震えしとどに先走りを垂らし始めた。
その滑りを使ってハヴェルが優しく手のひらで包み込み、上下に動かすとレトは目を見開いて唇を噛んだ。

「あ!む…ん」
「噛むな。切れる」
「ん…っ…」
「レト」

レトは嫌々と首を振ったがハヴェルが咎めるように唇をなぞる。
そして長い指を唇の間に割り込ませた。レトも抵抗することなく指を受け入れて、口内をくすぐる指に瞼を震わせた。

「っは…」

舌を撫でてから指がずるり、と抜けて唾液が糸を引いた。レトはぼんやりと指の行く先を、熱く火照った瞳でぼんやりと追った。
指はレトの小ぶりなペニスを過ぎて奥まったアナルの入り口を撫でる。そこがひくひくと痙攣するリズムを見計らってから、ゆっくりと長い指をハヴェルは押し込んだ。

「は、うぁ…!」
「痛いか」

久し振りの異物感にレトは眉間に皺を寄せたが痛みは無かったので、なんとか首を横に振った。すると中で収まっていただけの指がゆっくりと、だが確実に意志をもって蠢く。

「っあ!ん、ん、っ」

ぐじゅぐじゅ音をたてながら指を出し入れさせて、もう片方の手は相変わらずレトのペニスをゆっくりと上下に扱く。レトは前と後ろ、両方からの刺激にギュッとシーツを手繰り寄せて喘いだ。




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