小説 | ナノ
ハヴェルは手で石鹸を泡立てて、そのままレトの体を洗っていた。
最初はスポンジで洗ってやってたのだが、人の世話などしたことのないハヴェルは力を入れすぎてレトが痛がったのだ。自分で洗う、とレトは主張したがハヴェルは罪滅ぼしだと言って聞かなかった。
そこで手洗いに落ち着いたのだが、ぬるぬるする感覚にレトは身を捩らせてくすぐったいと笑った。

「あ、の…ハヴェル様…やっぱりおれ自分で」
「嫌か」
「そんなことないです!」

さっきから同じ会話ばかりを繰り返していたがハヴェルの手が下へと向かう途中、ピクリとも動かなくなった。
不審に思ってレトがハヴェルを伺って、ハヴェルの視線を追ってみると自分の股間へと辿り着いた。

「っあ…」

奥に入りっ放しだったはずの精液が零れ落ちて水溜まりを作っている。明らかに石鹸とは違う粘り気のあるそれをハヴェルは凝視していた。
咄嗟にレトは足を閉じて、顔を真っ赤にした。

「…全部出せて無かったのか」
「ハヴェル様!?」

ハヴェルは一人ごちると無理矢理レトの足を開かせてアナルへと指を突っ込んだ。
しかしその腕をレトが掴んで抵抗する。
レトの瞳には恐怖が映っていてハヴェルは少し戸惑ったが、きちんと教えておこうと指を進めた。

「レト、これを全部出さなければ腹を下すらしい」
「っ…や」
「我慢してくれ」

何時だったかは忘れたがハヴェルは娼婦の女からアナルセックスのメリットとデメリットを聞いたことがある。
朧気な記憶だが中に精液が入ったままで良いことなど何もない。
レトのためを思い精液をかき出そうとするがレトは嫌々と首を振った。

「おれ…おかしいんです」

レトは鼻を啜って話始めた。

「そこに指いれられたら、変な感じで…頭がおかしくなるんです…。ビリビリして、なんか分からないんですけど、もらしちゃう…」
「………それは気持ち良いってことか」
「へ?」

軽蔑されるとレトは身を竦めたが返ってきた返事は想像と違い惚ける。
そんなレトにハヴェルは指をアナルの中で動かして前立腺を刺激する。するとレトの体は、跳ねて喜んだ。

「や、んぅ…」
「痛くは無いのか」
「は、い…ふぁ」
「レト、お前はおかしくない。これが普通だ」
「ふぇ、ほんと…?」
「ああ」

レトは安心して力を抜いてハヴェルに身を委ねて身を震わせた。
ハヴェルは手を休めることなく肉壁をなぶる。
奥から溜まっていた精液が良い潤滑油となり、二本目の指を入れるのは容易だった。

「はぅ、あっ、やぁん」
「気持ち良いか」
「あっ…ふ、んぅ」

気持ち良い。与えられる刺激と言葉は、今の感覚を表すのにピッタリな言葉だ。
レトは一度頷いてからハヴェルを見て言った。

「き、もち、い…」

ハヴェルは全身の血液が沸騰するのが分かった。
精液を掻き出すために入れた指は目的以外のために動き、自分のペニスは何もしていないのに自然と高ぶる。
目の前に人参をぶら下げられた馬のように葛藤した。

「あう、んあっ、あっあっ」

指を抜き差しするとリズムに合わせてレトが喘ぐ。
苦しげにしかめられた眉に涙で濡れた瞳は欲に染まって、ハヴェルは生唾を飲み込んだ。

「あ、ぅ、やん!だめ、だめっ…!」

ピクピクと内壁がかすかに痙攣し始める。
ハヴェルは更に指を増やしてしつこく前立腺を苛め、小ぶりなレトのペニスを扱いた。

「やぁ、あっ!んあっ…!」

すると間髪を入れず、レトが射精した。
すべて出すまでハヴェルは扱きあげて透明に近い精液を見て罪悪感を感じた。
レトは瞼を震えさせて不安げに乱れた息のままハヴェルを見つめてから、そっと目を閉じた。




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