小説 | ナノ
すっかり日も暮れて、仕事を終えたハヴェルが帰ってきた。
そのままハヴェルが風呂場へと直行するのを見届けてレトは安堵の息を漏らす。
今日は先にシャワーを浴びていないので土曜日のようになることは無いはずなのに、体を強張らせている自分がいることにレトは戸惑う。
―――まだハヴェルが怖い。それは隠しきれない事実ということは明らかだった。

数分後。髪を濡らしたハヴェルが出てきてレトは目を見張る。
ハヴェルはズボンを履いただけで上半身は裸で、綺麗に筋肉のついた体を惜しみもなく晒していたのだ。
いつもは服を着ているのに、と疑問を抱きながらも髪から落ちた雫が割れた腹筋を伝い滑り落ちて行く様に目がいった。
ディアスといいハヴェルといい騎士なだけあって素晴らしい体付きをしている。レトは自分の貧相な体が恥ずかしくなって目をそらした。
そのため意識が少し飛んでいた。


「――い。聞こえてないのか」
「…あ!も、申し訳ありません!」
「…別に構わん。風呂には入ったのか」
「え。あ、あの…まだです…」
「さっさと入ってこい」

話を聞いてなかったことを叱られるのか、と畏怖するレトにハヴェルは命令した。
ハヴェルが風呂を勧めた理由など全く分からないが、頭を冷やすのに丁度良い、と慌ててレトは風呂に向かった。

烏の行水よろしく素早く髪と体を洗い脱衣所に出た瞬間、レトは息を飲み込んだ。
何故ならハヴェルが脱衣所にいて、あの土曜日の晩と同じくギラついた瞳だったからだ。

「やっ…!」

レトは小さく悲鳴をあげるがハヴェルは気にすることなく、レトを軽々と抱き上げて寝室まで運び性急にレトに愛撫を施した。
愛撫といってもアナルにのみでそれもおざなりに。
レトはその間、なんとか逃れようと抵抗したが力の差は歴然で簡単に抑えこまれてしまい意味が無かった。

「や、やめ、あっ、ふ、んん」

無理矢理にアナルを慣らしたハヴェルは高ぶるペニスを迷うことなく正面から突き刺した。

「うあっ…!あ、あっ」

獣のように自分を貪るハヴェルを引き離そうとレトは肩を押したが鍛え上げられた肉体はピクリともしない。
むしろ更に奥まで穿かれて生理的な涙が溢れた。

「ハ、ヴェルさ、まっ!やぅ、や、やめ…」

どうして、レトは心の中でそう叫びながら考える。
今日は何も粗相をしていないのに。どうしてこのような仕打ちを受けるのか。
土曜日と同じく、体が隅々まで痺れて脳がクラクラする感覚に言い表せれない快感。
苛まれた体が自分の体ではないようでレトは怖くて仕方なかった。

「はっ、ふ」

ハヴェルは好き勝手に自分より何回りも小さい体を蹂躙しつつ、満足感に満たされていた。
仄かに香る石鹸の匂いに高すぎない嬌声。先日まで犯されたことのなかったアナルは、ハヴェルの熱いペニスを追い出そうと収縮して堪らない快感を得れる。
レトが顔をぐしゃぐしゃにして泣くのを見ても、それは興奮材料にしかならずハヴェルを更に盛り上げた。


「あう、や!やめっ、ふ、やんっ、で、でぅ」
「…はっ、出せば、いいっ」
「や!あっ、…んぁ、んっふあっ…!」
「…っく」

レトは込み上げて来る熱を解放すると頭が真っ白になった。
強すぎる快感に口は開き、体が強張って思わずハヴェルのペニスをきゅっと締め付けてしまう。
それと同時に奥に熱い精子をぶちまけられる。レトはその熱さにぼんやりとして、睫毛を震えさせた。
しかし少しの休憩も置かず熱を取り戻したハヴェルのペニスに肉を割られる。

「…ふ、ああっ、や、ん、んっんっ」

ぬちゅっぬちゅっという音にレトは目をつぶって早く終わるように、と願う。
けれど何度体内に精子を注ぎ込んでもハヴェルの動きが止むことはなく、くたくたになるまで耐えたもののレトは意識を失った。




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