「あっ、んっんっんぅ!や!…うぁ、あっ」
レトは経験したことのない快感に怖くなってきて、なんとか逃れようと前へ進もうとするが、ベッドでは上手くいかない上にハヴェルに腰をガッシリと掴まれてしまった。
「や、や!あう、あ、つっ…ん」
「く、はっ…!」
しかもラストスパートとばかりに揺さぶりは強くなり、最後にはハヴェルの精子をアナルの奥の方に注ぎ込まれてしまう。
ゆっくりと抜き差ししながらハヴェルはすべてを吐き出すが、レトは射精することもままならない。
けれど無知ながらも硬度を失ったハヴェルのペニスを感じ、事が終わったと察したレトは早くハヴェルがペニスを抜いてくれることを願った。
しかしその願いは叶う事なく打ち消される。
「っえ?あっ、や、なん、でぇ」
ぐるり、と繋がったまま体を一回転させられ膝裏を持ち上げられる。
そしてそのまま揺さぶりが始まったのだ。
硬度を失ったはずのペニスは、すっかり高ぶっており再び容赦なくレトのアナルを蹂躙する。
「あっ、あっやぁ!ん、ん、あう!」
相変わらずハヴェルの腕はレトの腰を掴まえており好き勝手揺さぶる。
中に出された精液のおかげで滑りは良くなり、卑猥な水音で盛り上がったハヴェルを止める術などレトが持っているわけなかった。
「あ!あっあっ、やら!や!」
正面から穿ち、ハヴェルが前屈みぎみになるためレトのペニスは二人の間で擦れる。
ハヴェルの鍛えあげられた腹筋に、ぬるぬるとした先走りが被着してアナルとはまた違う快感がレトを追い詰めた。
「あ、ら、めぇ…な、なんか、で、る、でう…!あっあっ、ああん!!」
「っく!」
耐えきれなくレトは初めて吐精した。
信じられない快感に目の前が弾けて、アナルも無意識に絞まる。
そのため余計がっついたハヴェルのおかげで射精後独特の倦怠感に襲われる間もなく、余韻をぶち壊されて激しい揺さぶりにレトは意識を飛ばしたのだった。
***
明るい日差しと爽やかな風邪にくすぐられてレトは重たい瞼を持ち上げた。
目に写るのは天井だが、いつもよりかすかに黄色く見える気がする。
そのまま数分惚けていると部屋の主のハヴェルがコップ片手に入ってきた。
「!……あ…」
自分がのうのうと寝ていた場所がハヴェルのベッドだと気付き慌てて退こうと思い起き上がるが、レトはすぐにへたりこんでしまった。
まるで下半身が石のように重たくじんじんと痛み、頭もクラクラする。
咄嗟に昨夜の出来事を思い出してレトは一瞬にして青ざめた。
あんな痛いことをされるほど自分が粗相をしたのだ、とレトはとにかくハヴェルに謝ろうとするが。
「飲め」
「あ…ありがとうございます」
押し付けられるようにしてコップを手渡される。
受け取ったコップからは湯気が出ており甘い匂いが鼻を掠めて誘惑に渇ききった喉が相手では勝てなかった。
言われた通り口にするとそれは、甘くて美味しいココアだった。
ちびちびとそれを飲んでいるとハヴェルが口を開いた。
「昨日のことだが」
「申し訳ありません!」
きた、そう瞬時に思いレトは肩を竦めてすぐに謝る。
コップを持ったまま出来るだけ頭を下げるがハヴェルの反応はない。
怯えつつも頭を下げたまま待っているとハヴェルが言った。
「謝るのは俺の方じゃないのか」
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