小説 | ナノ
買われた日から、二週間と少し。
レトは毎日せっせと家事をしていた。

ハヴェルは休日には外で性欲を晴らし、火曜日と木曜日には部屋に女を連れ込んで事に及んだ。
その際、レトはディアスの部屋で寝泊まりをしていて早くに寝るためハヴェルの性事情など全く知らない。

だからレトは性欲が溜まり物にあたるハヴェルのことを怒りやすい人、と認識してなるべく気に障らないように過ごしていたのだが事件は起こった。


奴隷の時では考えられない温かいシャワーを浴びていると、ハヴェルがいつもよりかなり早く帰ってきた。

「あ…」

ドアの閉まる音に心臓が跳ねる。
レトはすぐにシャワーを止めて脱衣所で体を拭いた。

ハヴェルは基本的に部屋に戻ってくると先ずシャワーを浴びる。
そのためレトは不興を買うと焦り慌てるが、残念なことに玄関とシャワーまでの距離は近かった。

「…」
「も、申し訳ありません…!」

無情にも脱衣所のドアが開かれて一糸纏わぬ体を見られてしまう。
明らかにハヴェルの邪魔をしてしまった、と真っ青な顔でレトは謝ったが何の反応もない。
恐る恐る顔をあげると野獣のような瞳をしたハヴェルに射ぬかれてレトは震え上がった。

「っ」

意図せず、瞳からボロボロと涙が溢れる。
怒声を浴びせられるのか殴られるのか、はたまたあのスレイブショップに返されるのか。
不安が心を埋め尽くした。


「…来い」
「……はい」

静かなハヴェルの声が響く。
レトは体を拭いていたタオルを握り締めて、そのまま大きな背中についていった。

無言の圧力に耐えながら着いていくと寝室に通されてベッドへ放り投げられてタオルも奪い取られた。
ハヴェルの部屋で寝る時はソファを使用していたのでディアスの部屋のベッドとは違う柔らかい感触に目を瞬きさせつつ、レトは覆い被さってくるハヴェルを見つめた。

「騒ぐな」

前もってされる忠告に、襲い来るであろう衝撃にレトは目をギュッと閉じて待ち構えた。

けれどいくら待てども衝撃は来ず、ハヴェルはゆっくりとレトの体のラインを確かめるようになぞらえるだけだった。
そのくすぐったい感触に我慢しながらそっと目を開けると同時にレトは俯せにされた。

「腰をあげろ」
「は、いっ…」

言われた通りレトは腰をあげる。
するとハヴェルはレトの尻を割り開くようにぐに、と左右に広げた。

「や…!」
「…」

いきなりのことにレトは声をあげたがすぐに口を閉じた。
逆らってはいけない、そう思い排泄器官を見られるという羞恥に耐えた。

「ひうっ!」

しかし前触れもなくそこに息を吹き掛けられて、経験したことの無い感覚にレトは悲鳴をあげ後ろを振り向く。
そこには未だにレトのアナルを凝視するハヴェルがいた。
しかもどこから取り出したのか、淡い色合いのボトルを傾けて粘着性のある液体、ローションをレトの尻に掛けるところだった。

「あっ…!や、あ」

ひんやりとしたローションにレトは驚くが、それも束の間。ハヴェルがアナルの入り口を指でなぞるので嫌々と首を振った。
その小さな抵抗も叶わず、ハヴェルはゆっくりと指をアナルの中へと潜り込ませた。

「う、あ…」

我が物顔で蠢く指にレトは額をシーツに擦りつけた。
痛いというよりは気持ち悪い。
うう、と唸り声をあげたがハヴェルはそんなのお構いなしにレトのアナルを蹂躙した。




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