ぐに、と強い力を込めて尻を割り開かれ、倫也は咥えていたペニスから口を放して後ろを振り返り蜜樹を睨んだ。
「…………」
「少しぐらい良いじゃないですか」
ね? と蜜樹はふっとアナルに息を吹き掛けて来る。
もともと、上に乗せられて尻を蜜樹に向けるという所謂シックスナインの体勢をとらされたところから嫌な予感はしていたのだ。言いたいことは、たくさんあったが、ここまで来て蜜樹が引くわけがない。
倫也は仕方なく、目の前でテラテラと光る凶器と言って良いほどグロテスクで大きいペニスを咥えなおす。ただでさえ、大きいのだから普通ならば倫也のような小さな口で咥えるのは至難のわざだが、慣れか、倫也は器用に咥えて愛撫していた。
蜜樹はその苦しそうな顔を見たいけれども、今はこっち、といわんばかりにアナルに舌を這わせる。
「んむ!」
瞬間、倫也の腰がひけたがしっかりと掴んで、さらに舌を絡めていく。そして、きゅ、と窄まるアナルを指で横に広げて、内部にも舌を潜り込ませれば、きゅう、と締め付けてくる。
追い出されないように長い舌を、器用により深くまで差し込めば倫也のペニスがびくん、と跳ねた。
「っおい! ちょ、あ、ん、むぅ……」
さらに指もゆっくりといれれば倫也から非難の声が上がったが、蜜樹は腰を押し付けて黙らせる。
そのまま、手早く指を動かして目敏く見つけた前立腺を撫でて倫也に抵抗させる気を一切防ぐ。
「ん、む! ふ……んうっ!」
ゆっくりと指を出し入れしながら、蜜樹は少し顔を離してその様を眺める。
たった一本だというのに、倫也のアナルは指をきつく締め付けて、出そうとすれば出ていかないでと吸い付き、逆に押し込めば内壁がうねって押し出そうとする。指を二本に増やせば、その反応はさらに顕著になり、蜜樹はうっとりせずにはいられなかった。
ここに、自分のペニスを挿入して好きなだけ突けたらどれほどの快感だろうか。想像するだけで、蜜樹は自分のペニスがびくびくと震えたのが分かった。
けれども、今まで何年もかけてほぐしてきたというのに指二本しか受け入れない倫也のアナルに、蜜樹の一般男性と比較すると大きいペニスを挿れるのは酷だ。たまに、理性が切れそうになるときもあるが倫也の痛がる顔は見たくない。
「ん、ちゅ、は……倫也さん。ちょっと」
「ふあ?」
ずるり、と指を引き抜けばつられるようにして倫也もペニスから口を外す。
「仰向けになってもらえますか?」
「? …………こう、か?」
「はい」
戸惑いながらも、言うことを聞いてくれる倫也に蜜樹は笑みがこぼれる。
この人に快感を覚えさせたのは他でもない自分自身。
たまらないなぁ、と思わず一人ごとをもらしそうになるのを止めて、蜜樹はいきった自分のペニスを再び倫也に咥えてもらう。
「っんむ、ん、ふ」
仰向けで顔を横に向けながら、となんともフェラしにくい体勢であるが倫也は頑張って蜜樹を気持ち良くしようとする。
蜜樹もお返しとばかりに長い腕を使って、再び倫也のアナルに指を潜り込ませた。
「ん! む……ん、むぅ、あ」
「はっ、倫也さん……すごいやらしい顔してる……ん」
倫也が仰向けになったので与えられる快感に歪む表情を思う存分、見つめることができる。もっとよがらせてやろう、と前立腺ばかりにスポットをあてて、ぐにぐに刺激すれば倫也の華奢な体はびくん、とはねて真っ黒な潤んだ瞳は恨めしげに蜜樹を睨んだ。
そんな顔しても逆効果なのに、と蜜樹がもう一本指を増やそうとしたときだった。
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